< 4/最終週の飼育状況:各舟の整理・放匹調整ともに進行中!(5/1) >

新緑の季節へ(4/29撮影)

 ・桜の木も新緑に包まれました。GWに入り、初夏のような気温です。
  休日は、各舟の整理・放匹調整に追われています。

 ・気温の上昇とともに、皆様から産卵のご連絡を頂きます。
  まさに産卵シーズンのピークです。まだ、仔引きできていない方も
  稚魚の体調を整えておけば必ず産卵します。焦らないでくださいませ。

3月上旬孵化の黒仔の一例(4/29撮影)
3月上旬孵化魚の飼育舟と選別(4/29撮影)
[2舟:計200匹]

 ・まだまだ幼いですが、「らんちゅう」の容姿へと近づいています。
  今年は、例年よりも、若干、尾の張りが強く感じています。
  150×90センチの舟で水深7センチ:1舟:100匹を放匹して
  浅飼いしていきます。(黒仔は4〜4.5センチ程度です)

3月下旬孵化の青〜黒仔の飼育舟 (4/29撮影)

 ・孵化後、一ヶ月が経過して、はじめて選別を行いました。
  (ここまで選別を伸ばせるのもバクテリア飼育の威力です)

 ・選別後、2舟へ、完全に半分にし放匹しました。
  何匹いるかは数えていません。想像していた以上の匹数が残りました。
  水深は、やはり7センチと浅飼いです。

  [計700〜800匹くらいでしょうか。それ以上かもしれません]

  [本当は、大小の大きさを分けて放匹したかったのですが、今回は、
  疲れてしまい、次回としました]

  (選別後、残せない稚魚は、今年も近所の小学校のビオトープへ
   プレゼントさせて頂きました。子供達が大切に飼育してくれています)

[参考:選別方法の目安(毎年掲載)]


・この時期の選別は、上見で尾の状態を基本に選別します。
  (「ジャミッコ」と呼ばれる、未熟で完全に体の曲がった魚やフナ尾の魚は当然はねます)
 
@からBまでの尾形の魚を残します。
 
・この時期で@の尾形の魚は、飼育していくと次第に尾の張りが強くなり過ぎることがあります。
 (この場合は、若干水深を深くとってあげると、このままの良い状態の尾を維持できます)
 
Aの尾形の魚が、この時期としては一番良い状態と考えます。
 稚魚の背は、まだ出来上がっていません。
 これから、「背」や「とまり」が決まってくると尾は前へ出てきて、ちょうど良い尾形が形成されます。
 
Bの尾形は、逃げていますが、系統によりこれから開いてくる可能性を秘めています。
 ここまでの尾方の魚を残します。
 
・また、Cの画像は、絵が下手で恐縮ですが、この時期に背を見て選別する必要はないということです。
 これから、稚魚の背が弧を描くように仕上がってきます。その時点で、凹部分は埋まってきます。
 この時期で横から背を見ての選別は不用と考えています。
 
 
◎お恥ずかしいですが、以前、下記のような図式の選別方法も記載いたしました。
  参考程度にご覧くださいませ。

「選別時の参考図」によるご説明


 最初の選別では、上図のbPのように体がまっすぐな魚を残します。
  系統により尾の開きが遅く、一ヵ月半もかかるものもあるので、
  尾の開きを厳しくとらないことが大切です。

 ・bQのように特別小さい魚、
  bRのようにフナ尾の魚、
  bSのように体が曲がったり尾の付けが曲がった魚、
  bTのように、目先が無い魚や片目の魚、
  また、尾が開き過ぎて泳げない魚は、はねます。

  最初の選別で、どの程度残るかで、その腹が評価できます。
  (バクテリア飼育では選別を遅らせる事が出来るので、
  私は一ヶ月から一ヶ月半位に最初の選別を行います。
  しかし、たまにボールで救って、フナ尾の魚は餌が無駄になるので
  早めにはねます)

 ・2回目の選別は二ヶ月位で行います。
  尾はbUの感じの魚を残します。
  尾が「おわん」のような曲線を持つ魚を残します。
  bVは尾がすぼけていて、茶わんをひっくり返したような尾です。

 ・また、bWは「さし尾」です。
  魚を断面から見ると尾付けの部分に膜がはったように見えます。
  とかく、「さし尾」の魚は尾形が良いのですが、フナへの先祖帰りで、
  ゆくゆく頭が出ない魚になると言われています。

 ・bXは腰高の魚で、この時期は背の浅い魚を残すべきです。
  成長とともにどんどん腰が高くなっていきます。
  bP0は頭の後ろが高い魚です。
  bP1は、尾に摘みのある魚です。このよな魚も早めにはねます。

 ・画家の吉岡先生が、毎年、上述の「選別概要の絵」をご覧になり、
  爆笑してくださいます。笑うことは健康に繋がります。
  来年からは吉岡先生に書いて頂きたいと思っております。
  「でも、ポイントは分かりやすくて良いよ」とは言って頂けます。

4月中旬孵化の針仔の飼育舟 (4/29撮影)

 ・4/11、4/12:自然産卵と人工授精の2腹の稚魚も
  思った以上の匹数が孵化して、順調に成長しています。

 ・ブラインの量が足りません。冷凍マイクロ・プランクトンが
  バックアップとなってくれています。

 ・また、4/22、4/26:自然産卵の2腹も匹数は少ないものの
  孵化が完了しています。(近日、画像掲載いたします)

 ・ベランダの飼育舟は、次第に稚魚で真っ黒となっていきます。

[追伸]

 ・私達の系統魚が、「春の大会で優等に入ったよ!」等のメールも頂きます。
  産卵時期も重複して、この時期の大会は魚にとって過酷ですが、大会は、
  魚のレベルアップの面から必須と考えています。本当におめでとうござい
  ます。大変嬉しく感じます。(喜びは共有することが大切ですね)
  *T様、メール(画像)有難うございました。

初夏の花々:近所の畑にて[東京] (5/1撮影)

< TAKUYAの今年度の飼育も、そろそろスタートします!(5/5) >

5/中旬飼育開始予定:舟、配管等を準備中 (5/5撮影)

 ・標高850メートル:TAKUYAの自宅飼育場の準備に入ります。
  デッキの塗装も完了し、順次、飼育舟を配置していきます。
  最終的には、150×90のセメント舟を10面設置予定です。

 ・昨年と同様に東京の私のベランダで孵化した稚魚達を飼育していきます。



庭の宿根草達も順次開花、白樺には新緑が・・・(5/5撮影)

[産卵と飼育水温等について]

 ・4/末〜:皆様から産卵のご連絡を頂けるようになって来ました。
  魚達は、「自然界における産卵期」を知っていて、その自然の摂理に
  従おうとします。人 的に産卵期をコントロールしても、統計的には
  必ず、自然に順応した今の時期(4/中旬〜5/上旬)に産卵のピーク
  をむかえます。稚魚達の餌が十分に確保できる(ミジンコ等が湧く)
  時期でもあります。

 ・産卵水温は、経験豊富な方々のご意見を考慮しても、18〜23度
  ではないでしょうか。この水温未満でも、超えても産卵は難しいと
  思えます。今、サーモやヒーターを使用しなくても、通常飼育にて
  水温がこの範囲に入ってきています。(飼育環境の差異はありますが)

 ・昨年も、そうでしたが「加温しても容易に産卵しない」と いていた方が、
  一旦、諦めて、ヒーターを外して常温にしたとたんに産卵したとの連絡を
  頂きました。この方は22〜23度にて産卵仕掛けされていて、推測です
  が、朝の最低で22〜23度であり、昼間は天気等により25度を超えた
  と推測できます。水温が高すぎると、魚は春の産卵期を過ぎてしまったと
  感じ取るのではないでしょうか。加温をやめたことにより、産卵に適した
  水温域に入り仔引きに成功した一事例だと思います。

 ・この現象、皆様も秋口に、夏の高水温から次第に飼育水温が下がった時に、
  産卵してしまった経験をされたことがあると思います。まさに、高温域
  から産卵水温域に入ったと推測されます。このような、魚の自然への適応力
  を考えて仔引きさせることも大切だと思います。無理のない産卵からは、
  産まれる仔達も平均して良い仔が多くでると感じます。

 ・「らんちゅう」は人間の手により改良され、創作された芸術であると思います。
  しかし、その前に、彼らは生命を持ち、魚自身が「種の力で繁殖していく」
  ということを私達は認識する必要があるのではないでしょうか。
  人工的な一面、自然に順応させた飼育の両面からのアプローチを試みて
  今後も飼育していきたいと思います。

[ブラインシュリンプ等、餌の品質と鮮度が稚魚飼育のキーポイント]

 ・孵化〜針仔〜青仔の時期、親からの免疫力により、稚魚達は想像以上に
  丈夫です。
  (ただし、親の免疫力が切れる時期が確定できません。ですから、私達は、
   バイオバクテリア:AnakasのBバクテリアに、免疫力強化のため
   の効果を具備させました)

 ・この時期に、調子を崩すことは考えにくいと言ってもよいと思います。
  また、青仔までの時期に調子を崩してしまった稚魚は、体色は黒く、
  「おたまじゃくし」のような様相となり、開きかけている尾はすぼんで
  しまいます。その後、体調が回復しても、なかなか、もとの成長スピード
  には戻りません。稚魚を飼育していく時期としては容易でありながら、
  危険をはらんだ時期だとも言えます。

 ・それでは、この時期に体調を崩す要因について考えてみますと、
  以下の項目があげられます。
   @質(孵化率、沸き)の悪いブラインシュリンプの給餌。
    (孵化率が低く、沸きあがらないブライン、沸きすぎて腐りかけた
     ブラインを与えた時)
   A停電やサーモ、ヒーター故障による水温低下。
   B匹数に応じた酸素量の確保が不十分。
   C飼育水の全換えによる薪水(水道水の消毒等)のショック。
   D飼育水の腐敗によるアンモニア→亜硝酸の毒素。
   E日当たりが良過ぎて、過度な水温上昇による酸欠。

 ・@が、この時期の最大危険原因です。活餌のブラインは沸かす時間と
  温度管理、エアーリング、そして、与えるときのブラインの状態を必ず
  確認してください。腐ったブラインを食したら即、全滅です。

 ・Aは、孵化時期にもよりますが、早い時期の産卵で外気温が低く、
  器具の不具合や停電により飼育水温が20度未満になったときです。
  いっきの水温低下だと全滅の可能性もあります。

 ・B〜Eは上述のとおりです。バクテリア飼育、溶存酸素発生装置の使用、
  飼育水の差し替飼育により、容易に対処可能です。

< 5月第2〜3週初めの飼育状況:順調に成長!、黒仔〜一部色変わりへ、そして産卵 (5/14) >

  ・忙しい日々が続いております。飼育記録の更新が遅れてすみません。
  
  ・画像中心となってしまいますが、ご了承願います。

3月孵化魚も黒仔〜一部色変わり  (5/11撮影)

3月下旬孵化魚も黒仔へ成長  (5/11撮影)

 ・産卵も、4/下旬〜5/上旬にて完了しました。

 4/26産卵→ 5/1孵化完了の針仔 (5/10撮影)
上段:メス親、下段:3匹がオス親

5/3産卵→ 5/8孵化完了の針仔 (5/11撮影)
上段:メス親、下段:3匹がオス親

         [TAKUYAも黒仔飼育をスタート]

 ・今年も、3/下旬孵化の仔を400匹(下記の2腹各200匹)をTAKUYAの飼育場へ送りました。
 
 ・飼育場は、拡張され順次、舟を増やしていく予定です。
 
 ・高原は、寒暖差が激しく厳しい飼育条件ですが、頑張ってくれることを期待しています。

5/12に到着の黒仔達です (5/13撮影)

上段:メス親、下段:3匹がオス親
上段:メス親、下段:3匹がオス親

< 5月第3〜4週初めの飼育状況:各腹ともに順調に成長!色変わり! (5/18) >

3月孵化魚達の一部画像  (5/18撮影)

 ・週末は、魚達の世話です。屋外ベランダ、晴れは貴重です。
 
 ・だいぶ「らんちゅう」らしい容姿になってきました。
 
 ・3月孵化魚達は、色変わりが始まっています。


 ・現在、150匹を2舟に、75匹ずつ分けて飼育しています。
 
 ・水深は8センチ程度です。冷凍赤虫を凄い勢いで食べつくします。
    
 ・群れをなす様子は気持ちよく、この時期が期待にあふれ楽しいときです。

3月下旬孵化魚も黒仔へ成長
(5/17撮影)

 ・休日に選別、忙しく一日が過ぎていきます。
 
 ・この腹は、現在、430匹、大きい仔を170匹、その他を260匹の2舟に分けて
  飼育しています。さらに、舟を広げる必要があります。

5/3産卵→5/8孵化完了の針仔も順調
(5/18撮影)

 ・一番、しっかりした腹かもしれません。
 
 ・まだ小さいですが、秋には、皆、大きさが揃います。
 
 ・各腹とも拘りがあります。大切に育てていきます。

< 5月第4週の飼育状況:初夏にはいり食欲増進!各腹の選別! (5/25) >

3月孵化魚達の一部画像  (5/24撮影)

 ・今週末も天気が悪くなりました。
  しかし、東京では、土曜の夜〜日曜の朝が雨の中心でした。
  曇り空の中で、選別等を行います。
 
 ・3月孵化魚達は、かなり色変わりしています。
  とかく当歳は柄に左右された評価もでてしまいます。
  綺麗な更紗魚の創作を目指します。

4月中旬孵化魚も黒仔へ成長  (5/20の晩に撮影)

 ・各腹等も、順調に成長しています。
  冷凍赤虫を凄い勢いで食べつくします。
 
 ・親の「良い遺伝子」を継承してほしいです。

4月下旬孵化魚も黒仔へ成長  (5/20の晩に撮影)

 ・初夏、気温〜水温も上昇して、稚魚達の成長のスピードも増してきます。
 
 ・各腹の大きさに差がなくなってきます。秋には皆揃ってしまいます。 


         2008年バイオ飼育記録 bU