いよいよ産卵 種魚の状態、舟の準備、魚巣の設置、水質、水温、雌雄の配分等 |
<2/29> 麦飯石の活用 |
・麦飯石を雌雄の舟の上部濾過装置にセットしてみました。 1.豊富なミネラル分の溶出作用で魚を健康に大きくする。
2.水中の溶存酸素を増やす働きがバイオバクテリアや魚にとって 非常に効果的である。 良いと思うことはチャレンジしていきます。当然大切な魚です。
その取り扱いに ついては、細心の注意をはらいます。 やはり、人間に良いことは魚へも効果があるように思えます。 (知人:医学博士のF先生の名言から) |
<3月3日 夜> 雌雄の状態 | |
・雌の産卵態勢も整い始めました。種雌2匹は上見でも「ふっくら」し、
産卵口(肛門)も開いて来た感じです。 (肛門がピンク色になります) そっと舟の中で魚を裏返し、お腹を指で軽く押すと、プヨプヨといった状態です。
お腹が重そうな泳ぎです。卵も熟成していて欲しいと祈ります。 |
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・この雌達は明二歳とは思えないほど大きく、目先、目幅、尾筒とも凄く、
選び抜いた 静岡系統の期待の現代的種雌です。 |
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・雄(明二歳)は、一段と泳ぎが活発になり、追いほしもしっかり出ています。
雄の体にはシャープさが出てきます。尾形を効かせてぐんぐん泳いでいます。 ・雌雄のカップリングを考えます。
(血を濃くしてかけると良い仔が引けるという方もおりますが、 私はあまり拘りません) |
<3月4日 夕方> 産卵舟へ雌雄をカップリング |
・産卵は、基本的に屋外のベランダのセメント舟を使います。 (60×90の舟:約80リットル) ・やはり、夜〜朝を感じさせ、早朝にうまく産卵させるためには
屋外産卵が良いと思います。 (昨年は、室内の窓側に舟を設置し産卵させましたが、産卵時間が遅れてしまい、
9時を過ぎてしまった経験もあります。やはり産卵の基本は屋外だと思います) ・水は、4日前(2月29日)から汲み置きした新水を23度に設定してあります。
今年は、弱酸性の効果を検証するため、ペーハーを6.9に調整しました。
・水作フラワーとエアーストーン1個ずつをセットしています。
・荷造りのビニール紐で作った魚巣も動かないよう丸めの石に縛り沈めます。
・トルマリンを入れてエアレーションさせておきました。
塩素も除去でき、ミネラルを多く含んだ飼育水にしておきます。
(魚を入れる時点でトルマリンは取り出します。この中に産卵されてしまうと、 後で大変なことになりそうだからです) |
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産卵について(注意点など) |
・雄を3〜4匹、産卵池へ入れます。(必ず追いほしを確認して下さい) ・雌を1匹、産卵池へ入れます。
ボールで水ごと魚をすくい、産卵池へ入れてあげます。 移動のショックで産卵しないよう十分に注意してください。 [注意」雌を移す時は手や網は駄目です。
魚が暴れた瞬間に産卵してしまいます。 ・これで、雌1匹に対して雄3匹のカップリングができました。
・水温とペーハーを再度確認。
23度、ペーハー6.9です。 [注意]夜、決して蛍光灯など点けないでください。
朝と間違えて産卵してしまうことがあります。
(魚の状態が気になるのですが我慢です)
・ファイロンの波板をかけて、「おやすみなさい」
*毎朝の餌を5時半にセットしてきました。
早ければ、明日(3月5日)〜3月7日の早朝には産卵してくれると思います。 明日の朝からは5時起きです。 もし、その間に産卵しなくても、焦らず、何度もチャレンジしていきます。
・その年々で産卵のタイミングはずれます。
また、不妊症の雌もいますし、追っていても精子を出さない雄もいます。 ですから、種魚の数は必要ですし、 2舟で同時にカップリングさせます。 ・産卵の前日には、雄が雌を追う行動が目立ち、
また、雌雄は魚巣へ入ったり出たりして巣作り行動もみせます。 そうすると翌日の早朝に産卵することが多いように 感じます。 ・餌は、消化の良い粒餌をフードタイマーで2目盛りを4時間間隔で与えます。
産卵が近づくと食欲は下がり、泳ぎは活発になります。
・どうか、上手く仔引きができますように。皆さんも祈ってください。
(生まれなかったら、この飼育記録もクローズですね。あープレッシャー)
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<3月5日 早朝> 速報!やったー!産卵だ!(すべて計画通り) |
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・5時、目覚まし時計が鳴る前に目が覚めました。
まだ、外は真っ暗です。だいぶ冷え込んでいるよで布団からでるのが辛いです。
・ベランダにセットした産卵舟のファイロンの隙間をそっと覗くと雄は雌を追い、魚巣へ入った り出たりしています。水温は23度、湯気が出ています。
*魚の動きから、なんとなく明日だろうと判断してしまい、
KIYOちゃんへは電話をしませんでした。 (電話しとけば人工授精の画像を詳細に撮影できたのですが。反省。すみません。 明日、もう一腹引けるかもしれません。空振りでも撮影に来てもらいます)
・5時半を過ぎると少し明るくなってきました。寒さに耐えて様子を見ているのですが、 産みそうで産みません。 6時過ぎまで我慢していましたが、たぶん明日だな思い、あきらめてシャワーを浴び (寒いのでお風呂にも入って)、部屋へ入ってしまいました。 ・6時40分、念のため、もう一度、産卵舟を覗くと、なんと産卵が始まっています。 魚巣にも、舟の底にも卵が見えます。
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・慌てずに、人工授精(裏技:人工受精を参照)を始めました。
事前にワセリンを塗布し、リンゲル液の入ったガラス容器の中へ雌の腹を押して卵を絞ります。 二歳とはいえ魚体も大きく、かなりの卵の数です。二つの容器に絞りました。
(片方の容器に一度に絞るのでは無く、交互に絞ります)
卵の色艶も良いようです。昨年引いた二番仔の卵以上の熟成状態かもしれません。
(すべて綺麗な飴色です。[未熟な卵は白っぽいものです])
・次に、この雄だと思う魚の精子を一方の容器へ絞り、次の雄も同じようにもう一つの容器の
中へ精子を絞ります。皆、しっかりと精子がでます。真っ白です。
(雌雄1対1で受精できます。孵化舟、容器が2、計三腹引いたようなものです)
・両方の容器に飼育水20cc程度と、リンゲル液を少量追加し、
手のひらで回すように混ぜます。(30秒程度) |
・慌てる必要はありません。二つの容器の卵を孵化用に用意しておいた舟へ平均にまきます。
水温は18〜19度です。エアレーションのみです。 (容器にも多少卵が付いているので舟の中へ沈めます)
・産卵舟に戻り、さらに、残っている卵を軽く魚巣へ絞り、雌は養生舟へ移します。
雄も、再度、軽く精子を舟の中へ絞り、雄舟へ戻します。
・産卵舟の水を手でバシャバシャとかき混ぜ受精率を高めます。
産卵舟の中にもかなりの卵が確認できます。 この産卵舟と孵化舟の二つを使って稚魚を孵します。 18〜19度で5日程度で孵化するでしょう。
・孵化舟と産卵舟の中へメチレンブルーを少量入れて水性菌の発生を抑制します。
(ほんの少し青みが付く程度です)
また、ペーハーは7.0程度の弱酸性で試してみます。
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・雌の養生は大切です。
事前に汲み置きし、20度、ペーハー5.8の新水へ入れて、 餌も1〜2日程度は切ります。弱酸性の殺菌効果を検証するため、
ペーハーを5.8前後にしてみます。 (餌をどんどん与え過ぎると、短期間に何度も産卵し、体力を落とす恐れがあります。
また、私の場合は、飼育舟に限りがあるので何腹も引けません)
・ここまで、すべて計画どおりで怖いくらいです。
種魚、卵、精子の状態から見てみますと、バイオバクテリア飼育水での冬眠から、
現時点の産卵まで、通常飼育より数段、良好に感じます。 あくまでも私見ですが。 ・明日になれば、受精状態(率)が分かると思います。
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[準備品] 準備品一式の画像を掲載 ・容器=手のひらより大きめの「どんぶり」3個
(できればガラス製の蓋付きが良いと思います。100円ショップで購入可)
・白ワセリン1瓶=少量(薬局で100〜200円購入可)
・リンゲル液(500ccを一本)
・注射器3本、針も3本
*3組用意するのは、後ほど手順の中で説明します。
・人工授精後に受精卵を孵化させるためのセメント舟(80〜100リットル)
(2日程度汲み置きした新水にエアレーションのみセット)
(水温は18〜19度、新水のみ、ペーハーも7.2〜7.3の中性)
・メチレンブルー少々。
[手順] 人工授精時の画像を掲載
・リンゲル液を注射器で抜き容器へ投入。
・舟で雌雄が産卵を開始し始めた画像
・雌を取り出し容器に卵を絞る。
・雄を取り出し容器に精子を絞る。
・水とさらにリンゲル液を追加しかき回す。
・孵化舟に卵をまく。
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○事前の準備
・容器の内面に白ワセリンを薄く指で良くのばし事前に塗布しておきます。
容器は3個とも同じように準備しておいてください。
(塗布した後にほこり等が付きやすいので蓋付き容器が良いです)
・産卵が始まった時点で人工授精させます。
その場になると慌ててしまうので産卵舟の近くに 上記の準備品を揃えて置いておくことが大切です。 ・必ず、目覚まし時計をセットしてください。
寝坊したら、気が付くと親に卵を食べられてしまうケースがあります。 ○人工授精
・夜明け(毎朝、餌を与える時間)に産卵が始まります。
(大潮の時に産卵しやすいのは、生物の自然の摂理かもしれません)
・ワセリンを塗布した容器に注射器でリンゲル液を5〜10cc程度抜き取り、
容器の中へ投入し、内面全体にリンゲル液が付くよう容器を振ります。 ・魚巣に雌が入り、ばしゃばしゃと卵を産み始め、それを追って雄が
精子をかけ始めます。(産卵が始まるまでは必ず待ってください) ・ここからが人工授精の始まりです。(けして慌てないでください)
・雌を落とさないよう両手で掴み、背と腹の間を頭の方から産卵口へ向けて
ゆっくり、リンゲル液の入った容器へ絞ります。 ・熟成した飴色の卵が出てきます。
通常、らんちゅうの卵は、産卵と同時に藻や容器にくっつきます。 しかし、ワセリンを塗り、リンゲル液をひたした容器は、まだ、雌のお腹の中にある状態で、 周囲にくっつきません。 (多少はダマになりますが) *絞り過ぎには注意してください。絞り始めは飴色の熟成した卵が出てきます。
最後の方へ行くと白色の卵となり、孵化率も落ちる感じがします。 (これから1週間〜10日間隔で繰り返し産卵します。無理に絞らないようにしてください)
・次に、雌を産卵舟へ戻し、雄を取り出し、雌と同じように、容器の中へ精子を絞ります。
真っ白な精子が糸状に出てきます。(ほんの少しの精子でも、
受精率は非常に高いので
安心してください。一滴の精子で十分です)
*雌の魚体が大きいと卵の数も1万近くになります。
容器を3個用意するのは、卵を順番にバランス良く3個の容器に絞り、かけたい雄と1対1
とする時に使用するためです。つまり、卵の数が多い時は、一回の産卵で3腹引けたような
ものです。 また、本命の雌雄のカップリングが確実にできるからです。
・次に、卵と精子が入った容器の中に10〜20cc程度の水を入れます。
さらに、リンゲル液を5cc程度も追加します。水は産卵池の水でOKです。
・容器を持って円をかくように30秒〜1分程度(アバウト)かき回します。
(水が入った時点で受精します)
・孵化舟へ、平均にまきます。私は、シュロ等は何も使わず、卵は、舟の底や壁面全体へ
くっつきます。 (容器にも多少、卵が付いているので、孵化舟へ沈めます)
・孵化舟の水温は18度〜19度であることを確認し、エアリングのみです。
・カビの発生を押さえるため、少量のメチレンブルーを投入します。
・直射日光を当てないように、ファイロンをかけ、5日程度で孵化します。
(1日経過すると、受精した卵は透き通っており、受精していない卵は、卵の周りに綿状の
白いカビが生えてきます)
・産卵舟の方にも受精卵がたくさん残ります。魚巣にも舟の底や壁面にも付いています。
この中でもかなり数が孵化しますので、中の水を手でバシャバシャとかき回し 良く受精させます。 水作をエアーストーンに取り替えます。また、水温は23度から18〜19度へ調整します。 卵をまいた孵化舟と同様に5日程度で生まれます。 ・雌は、養生舟(23度〜20度へ少しずつ落とす)で3日程度は養生させます。
状態が安定してから雌舟へ戻します。 (必ず雌雄は分けて養生させてください) ・私は、スペースもないので雄は、そのまま雄舟へ戻します。
(飼育スペースがあれば、雌と同様に養生させるのが一番です)
*他にも、いろいろな人工授精の方法はあります。
例えば、ワセリンのかわりにサランラップを使用したりもするそうです。 *ご意見番の千葉さんは、洗面器の中の水をぐるぐる回した中に雄の精子を絞り、
それから卵を絞ります。 遠心力で卵は、平均に洗面器の壁面に付きます。 さらに、再度その中に精子を絞る人工授精を行うそうです。 その洗面器は、産卵池に沈めて、18度にて5日程度で孵化させます。 エアーリングは、洗面器の外で、池の水深は、洗面器の上、3〜5センチだそうです。
孵化した稚魚は洗面器の外へ泳ぎ出します。 この外へ泳ぎ出す匹数が多いほど当たり腹だとおっしゃっていました。 洗面器の底の魚は奇形が多いそうです。 <3月21日追記>
リンゲル液は一般的に手に入りづらいですので、薬局で売っている生理食塩水
もしくは、ポカリスエットでも代用できます。 |
<3月8日> 卵の状態 |
・産卵から3日目、人工授精を行い孵化舟へまいた卵の受精率は99%です。
飴色の卵の中に稚魚の眼等が確認できます。卵は黒っぽく見えます。 (下の画像)
(水温18〜19度)
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・産卵舟の自然産卵の状況です。かなり白くカビた卵が目立ちます。 (下の画像)
しかし、このような状況でも、かなりの数の稚魚が孵化します。
どうしても、白くカビた卵が目についてしまいますが、確実に受精している卵が見えます。
(水温18〜19度)
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・この状況ですと、明日9日〜10日にかけて孵化すると思われます。
・もう一方のカップリング中の雌は産みそうで産みません。通常はこんなものです。
今朝も雌雄ともに産卵行動は見られましたが。産みませんでした。
こういう時は、昼間、会社へ出てしまうため、一旦魚巣を取り出し、 帰宅したら
産卵舟の水をバケツに2〜3杯程度、水温を合わせた新水に差し替え、 再度、魚巣をセットします。 水の差し替えは刺激を与えるためです。 (雌の腹が堅くなってしまった時は、雌雄を各々の舟へ戻し、仕切直しが良いと思います。無理は禁物です)
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<3月9日> もう一腹、ついに産卵!! | |||
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・なかなか産卵しなかった、もう一つのカップリング舟でついに産まれました。
(大型の雌の頭とボディーに、雄の尾形を付ける組み合わせです)
・でも、疲れていて起きれず寝坊、7時には自然産卵が終わっていました。
(また、人工授精の画像が撮れませんでした。根性が足りませんね。すみません)
・慌てて雌のお腹を絞りましたが、ほとんど卵は残っていません。
産卵舟も、卵と精子で濁り、独特な生臭さです。卵も目視できません。
手のひらで、そっと舟の底をさわってみると、ぶつぶつと卵が産み付けられています
・人工授精はあきらめ、雌は養生舟へ移します。(養生舟のペーハー5.8)
・残った雄の腹を次々に絞り(繰り返し)、極力多くの精子を産卵舟の中へ入れてあげます。
・絞り終わった雄を雄舟へ戻します。(雌雄の舟のペーハー6.0)
・産卵舟の水をバシャバシャとかき混ぜ、受精率を高めます。
5分もかき回したでしょうか。(産卵舟の水温を23度から19度へ設定変更)
受精率が高いことを祈ります。(産卵舟のペーハー7.1)
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・3月5日産卵の卵も、予定通りに孵化が始まりました。順調です。
今朝、19度だった水温を21度へ設定を上げて、一斉に孵化させます。
明日(3月10日)にはすべて孵化すると思います。 (外の産卵舟で孵化した稚魚は、もう泳いでいます) ・孵化後の水温は、21度以下へは落としません。
(水温を下げると稚魚の体型を崩すと言われています) |
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