<1月 第1週〜 1月の飼育ポイント/AnakasA/B/溶存酸素>

・2005年、バイオバクテリア飼育も3年目を迎えます。
 
・「今年の新たな展開」にも記載させて頂きましたが、(系統、バイオバクテリア、スーパーバブルの活用による)
 私の限られた飼育環境と飼育時間の中でのさらなるレベルアップした魚の創作や
 たたき池等で上手にバイオバクテリアとスーパーバブルを使用している方の紹介、
 まさに、らんちゅう飼育経験1年目、新鮮で苦闘するであろう方々の飼育状況、
 さらに、冬眠なし!バイオバクテリアの有機物満点の飼育水による産卵へのトライ等を
 飼育記録として掲載させて頂きます。

 いずれにしましても、今年は、「日らんでの上位」「日らんでの一席」を真剣に狙っていきたい思っております。
 ご声援方よろしくお願い致します。

[屋外ベランダ飼育舟の状況]


・水温は、少しずつ上げてきております。
 1月13日現在で12〜15度程度、2月の産卵準備の開始です。

・昨年の11月末より1月第1週まで、5〜10度程度の水温の中で冬眠済みです。
・冬眠期間中、そして、現在もスーパーバブルによるエアーリングとバイオバクテリア投入(1回/5〜7日)
 を継続しています。

・有機物が豊富なため、魚の熟成度も上がります。

有機物豊富な水で魚の熟成度もUPしています

・バクテリア飼育水でも、舟により、青水系、茶褐色系、透き通った感じと試しています。
 (どのような飼育水の色の状況でもバクテリアは十分に働いています)
・各舟には、明2歳魚(15センチ程度:上の画像参照)が3〜6匹ずつ入っています。


・雌雄は、まだ分けてはいません。
・種魚は、背、止めは絶対条件として選び抜いており、更に現代的な頭をつける為、龍頭を揃えています。
 *龍頭の形で大切なのは、鰓(横)に脂肪は無く、前方に脂肪が出るタイプを理想と考えて創作していきます。
・粒餌のブレンドをフードタイマーで少量与えています。(私は、冬眠中でも8度程度あれば餌は与えます)

[室内飼育舟の状況]


・室内飼育舟については、冬眠はさせませんでした。
 これは、静岡等の暖かい地域の方が、水温が下がらなくても上手に産卵させていること、
 
さらに、私達は、バイオバクテリアで出来る豊富な有機物を含む水が、魚の内臓機能を充実させ、
 しっかりと種魚を成熟させることが可能と判断し、
冬眠なしの産卵に挑戦してみることにしました。

・雌雄を問わず、体調は万全。水温は15度をキープしています。
 

・バクテリアの投与や餌についても屋外飼育と同様です。


・メスの腹の出来具合も良好です。
・しっかり卵を持っています。



[1月の飼育ポイント]

 
 
通常、1月は、まだまだ冬眠時期です。屋外では、水温は零度近く、魚は完全に寝ています。
 春が来て、4月末を中心とした5月の第2週ぐらいまでが自然に順応した産卵期と言えるでしょう。
 
 しかし、私達は、秋のメジャーな大会を目標に魚を創作してまいります。
 (限られた環境と限られた飼育時間の中で)
 
 そのためには、ある程度、人間の手で産卵期を操作します。しかし、バイオバクテリア等の栄養素から
 魚に無理のない産卵を行います。
 
 2月中旬からの産卵により、ゆとりある成長期間を確保していきたいと考えています。
 (注意:1月の産卵ですと受精率が低いのと、良い仔が取れても秋の大会時期に「当歳錆」:当歳らしさの
  無い魚となってしまいます)
 
 
 [飼育水温、状態、水換え]
 
 ・1月第1週、飼育水温4〜8度とし、ここから毎日、サーモスタットとヒーターにて1〜2度ずつ上げていきます。
  中旬までには15度とします。(もっと低い飼育水温の場合もゆっくり上げていきます)
 
 ・雌雄も、その時点で判別できる範囲で分けておくと良いでしょう。
 
 ・通常、病気を持ったまま冬眠させた魚は、この15度を超えてくると病原菌も活動を開始し発症します。
  しかし、バイオバクテリアを使用していますと、魚の内臓器官の充実から抵抗力が常にあり、私の経験から
  発症は見られません。(通常の飼育で発症した場合は、この水温で発見し治療が必要です)
 
 ・最初は、青水ですが、水温の上昇とともに、薄めていきます。しかし、いっきに新水へはしません。
  3日に1度、オス舟は半分を取替え、メスは1/4を取り替えていく感じです。
  これは、オスはあおって春を感じさせ、メスを追う状態へ準備させます。メスは、まだまだ熟成が必要なため
  水換えはひかえめにしていきます。
 
 ・1月中旬から下旬までに、さらに水温を上げて、18度をキープさせます。それ以上の水温にはしません。



 [給餌]
 
 ・オスは、冷凍赤虫を控えめに与え、体をシャープにしておきます。(2〜3回/日程度)
 
 ・メスは、朝と晩の冷凍赤虫に、昼間2〜3回フードタイマーにて、混合した粒餌を与えて腹を作ります。
  (10分程度で食べきる量とします。放匹数等から判断します)
  
 ・大切なのは、魚が健康体であること、触った時に魚体が柔らかいことが重要です。体の硬い魚は、
  良い産卵を
むかえられません(雌雄とも言えることだと感じます)


 
 [バクテリアの投与]
 
 ・冬眠時期は、アバウトですが、1回/7〜10日程度の投与。(A、Bバクテリアとも)
 
 ・水温が10度程度からは、1回/3〜4日程度の投与としていきます。(A、Bバクテリアとも) 
 
 ・バイオバクテリアを使用していますと、魚の内臓器官の充実から抵抗力もあがり、
  飼育水の中は、有機物が豊富で餌の与え方に神経質になる必要もなくなります。
 
 (安全基準検査のデータでも、餌を与えず、薄めたバクテリア水をマウスに与えたところ
  1週間で30%の体重増加が確認されています)


 
 [種魚について]
 
 ・昔から、産卵に明2歳は不適とされてきましたが、そんなことはまったくありません。
 
 ・私は、予定どおりの産卵をさせるためには、明2歳が最も適していると思います。
  系統を見極めれば必ず良い仔が引けます。
 
 ・これは雌雄を問わずです。
  (人間でも、30歳で産んだ子と18歳で産んだ子に差はないと考えます)


[簡単な複数舟へのバイオバクテリア投入例]

 
 いくつかの飼育舟(複数)にバイオバクテリアを投入するときに、私:TOM43は、こんな感じで簡単投入
 しています。ご参考にしてください。
 
 私は、セメント舟を中心に、ベランダに3舟、室内に5舟を設置して飼育しております。(衣装ケースも2舟)
 
 このような複数の飼育舟にバクテリアを投入する時は、茶碗やコップ等で何回にも分けてバクテリアを
 沸かす(培養)のは大変なので、ペットボトルの先を切り落とした1.5〜2リットルの容器を使用します。
 
 AとBは、必ず別々に培養して投入します。

  
 [湯沸しのお湯をペットボトルへ]
 
  ・だいたい40度ぐらいに設定している湯沸しのお湯を、そのまま、ペットボトルへ入れます。
 
  ・温度もだいたいで十分です。(30〜45度程度)
 


 [バイオバクテリアAの培養と投入]
 
  ・お湯2リットルぐらいに対して、スプーン1〜2杯を入れます。
 
  ・箸等で簡単にかき混ぜて、5分程度静置させます。(5〜15分程度で十分です)

  ・あとは、各舟へ適量を投入するだけです。(投入水量もあまり気にしないでください) 
 


 [バイオバクテリアBの培養と投入]
 
  ・お湯2リットルぐらいに対して、スプーン1〜2杯を入れます。
 
  ・箸等で簡単にかき混ぜて、5分程度静置させます。(5〜15分程度で十分です) 
 
  ・あとは、各舟へ適量を投入するだけです。(投入水量もあまり気にしないでください)


容器には、洗面器でも、麦茶入れでも何でも良いと思います。是非、試してください。




■飼育舟の溶存酸素量は最適状態を維持しています■

[室内:透明度の高い飼育舟(バイオバクテリア使用)]



・飼育水温17℃にて、画像のとおり7.2r/gの溶存酸素を確保しています。
 
・下表のとおり清水1gあたりの酸素含有量7.15r/g(15℃の場合)であり、
 その値を上回る、良好な飼育水を保っています。
 
◎このように、スーパーバブルAnakas100とバイオバクテリアの使用において、素晴らしい飼育
 環境が
出来上がっていることがわかります。

[室内:青水の進めた飼育船(バイオバクテリア使用)]


・飼育水温17℃にて、画像のとおり7.5r/gの溶存酸素を確保しています。
 
・これだけ濁り、有機物が豊富な状況では、通常、溶存酸素量は低下しますが、
 しっかりした良い値が確保されています。
 
◎魚にとって快適な飼育水が、簡単に室内で作れるため、容易に産卵へ進めることができると
 感じています。

下の表は水温と酸素量の関係です。(上段:酸素飽和量/下段:酸素含有量)
水温(℃)
清水1gあたりの酸素飽和量
  5℃
12.37 r/g
10℃
10.92 r/g
15℃
 9.76 r/g
20℃
 8.84 r/g
25℃
 8.11 r/g
30℃
 7.53 r/g
参考資料:緑書房「養殖工学概論」より

水温(℃)
清水1gあたりの酸素含有量
  5℃
8.97 r/g
10℃
7.79 r/g
15℃
7.15 r/g
20℃
6.50 r/g
25℃
5.96 r/g
30℃
5.14 r/g
(この表は有機物が存在せず、気圧が770hpの測定値)
※因みに、東京湾近郊の海水の溶存酸素量は3.1〜4.2



1月 KIYO(三橋さん)の飼育状況 >

・本格的にらんちゅうの仔引きを始めて2年目の三橋くんの飼育状況です。
 
・魚の系統も私と同様で拘りをもっており、匹数的にも、私以上の層の厚さです。
 
・仔引きの準備もすでにスタートしており、今年は十分期待できます。秋の結果が楽しみです。
 
・今年は、是非、日らんで洗面器を射止めて欲しいと思っています。頑張ってください。



[オス舟の状況]


・1300×900の舟です。
 (角材にファイロンを乗せ、通気性を保ちながら保温しています)
 (ヒーターの電気代もばかになりません。工夫が大切です)
 
・明2歳のオス魚が、22匹、産卵準備態勢に入っています。凄い種オス軍団です。
 
・系統的に、止まり、尾形の良い魚達です。龍頭で申し分のない魚達です。
 
・水温は18度。水替えは、水温を上げているため蒸発分が多いので1回/週程度、バケツ2杯の
 差し水を行っています。(これから水替えにより刺激を与えていきます)
 
・バクテリア飼育水の状態もちょうど良い感じです。スーパーバブルAnakas100の微細な泡が
 効果的です。
 
・バイオバクテリアは、1回/5〜7日の間隔で投与しています。
 (投入間隔も、各々の飼育環境に合わせてアバウトでも十分活性化します)
 
・水深は、13〜15センチ程度と浅めで、泳がせます。
 
・餌は、ティースプーンに1杯の粒餌を2回/日で与え、夜、消灯前(21時頃)に冷凍赤虫を5かけら
 与えています。




[メス舟の状況]


・1200×1200の舟です。
 
・明2歳のメス魚が、23匹、産卵準備態勢に入っています。
 
・メス種は特に頭と胴付けの良い魚を選びます。良い魚達です。
 
・水温は18.2度。蒸発分の差し水程度で、オス舟より青水が進んだ状態となっています。
 メス達は、すでに熟成しており、いつでも産卵0K状態です。(腹も柔らかい状態となります)
 
(三橋くんの場合は、オスの追いが始まれば産卵開始となります。大潮を狙って準備中です)
   
・バクテリア飼育水の状態も本当に良い感じです。水深は、18センチ程度と深めにしています。
 
・バイオバクテリアは、1回/5〜7日の間隔で投与してます。
 
・餌は、ティースプーンに2杯の粒餌を3回/日で与えています。オスよりも多い量とカロリーです。



[親魚の舟の状況]


・良血魚をバックアップとして飼育しています。
 
・血の継承は、とても大切だと感じます。

    

2005年バイオ飼育記録 bQ