< 1月第1週の飼育状況:2007年バイオ飼育充実の年に・・・(1/8) >



・昨年もご声援有り難うございました。
 2007年も引き続きよろしくお願い申し上げます。
 限られた飼育環境、限られた飼育時間の中で、血の確立と
 飼育の工夫(バイオバクテリアAnkas:アナカス等)により
 「現代的」らんちゅう創作に精一杯、楽しく頑張ってまいります。

明二歳魚

・左の二匹がオス、右の二匹がメスです。特徴ある種魚を選定し、
 各種魚の「良いところ取り」で産卵にチャレンジしてまいります。

・昨年末〜年始にかけて冬の嵐でした。今年は暖冬です。
 産卵時期を3月上旬に定めて、早めの仔引き計画とします。
 今後も異常気象は続くと思います。このような暖冬の年は、
 産卵期本番となる4月の天候が不安定になることが多いと感じます。
 3月の仔引きが良い結果になると思います。

まるで「夏の空」です

・1/7、まるで台風一過のような空となりました。
 正月の雰囲気が年々薄れていきます。

・午後になると、野鳥達が、今年もバクテリア飼育水を飲みに
 来ました。最近では、雀達までが、ファイロンの隙間から
 栄養満点のバクテリア飼育水を飲みに来ます。

明二歳魚達の一部画像です。
種魚、会魚として活躍してくれると思います(1/7〜8撮影)

・雌雄の組み合わせ、産卵時期の違いで、画像のように各々特徴を
 持った仔に育ってきました。(昨年飼育したのは5腹でした)
  
・画像は一部の明二歳魚達です。
 私は、毎年、明二歳魚を中心に産卵にチャレンジしています。

各冬眠舟の魚の状態(1/7〜8撮影)

・青水のバクテリア飼育水から魚をすくってみました。
 皆、健康体です。  
 
・朝晩は、5〜6度ですが、昼間は水温計が10度をさしています。
 本当に暖かな冬だと感じます。
 
・7〜8度あれば、適度に冷凍赤虫を与えています。

雌雄の判別(1/7〜8撮影)

・メスの腹は、卵を持ち始めています。(上段画像:メス、下段画像:オス)
 メスの産卵口は楕円形で、横から見ると卵管が出ています。

・オスの産卵口は円形です。前ヒレには、「追いほし」が確認できます。

・明二歳の場合は、このような確認では100%雌雄を確定できません。
 オスだと思っていた仔がメスの場合も多々あります。

< 2007年の産卵予定(再掲)です:ご参考 >

・3/末〜4/中旬孵化の仔達を12月初めに冬眠に入れました。
 そして、4/下旬孵化の仔達を12月中旬に冬眠に入れました。


冬眠期間は、皆様、考え方の違いがありますが、
 私の場合は1ヶ月〜1ヵ月半で十分と考えています。

 (オスの場合は冬眠させなくても、精子を出して仔引きに使えます)

・HPで少し早く産卵状況をご紹介させて頂くため、1月中旬〜下旬より順次、
 冬眠から起こしていきたいと思います。


・1月、常温飼育の場合、水温は地域により異なりますが、昼間の暖かい時間帯
 でも10度ぐらいだと思います(覆いをした状態)。

 (市販されている多くのサーモヒーターは、15〜20度からの設定仕様のものが
  多く、一桁温度からの温度調整できるものは高価です)


・私は、暖かい日を狙って安価な15度から設定できるサーモヒーターをセットします。
 飼育舟の水量は多く、ゆっくり水温は上昇していきます。
 翌日には、飼育水温は15度となります。

 (この程度の温度変化は魚の体調には影響しないように感じています)

・この15度で2週間程度飼育していきます。冷凍赤虫と良質の粒餌を適量与えます。
 粒餌は可能な範囲で湿らせて消化しやすいようにして与えると良いと思います。


・この段階で、明け二歳でも、次第に雌雄の確認が可能になります。
 メス舟とオス舟に分けてください。

・2月の初旬より、飼育水温を18度に設定し1週間〜10日、そして、20度へと
 飼育水温を上昇させていきます。


・2月中旬、20〜23度にして、熟成したメスと、しっかり追えるオスを産卵舟で
 あわせて、試し取りの気持ちで挑戦していきます。

・そして、3/10前後から本格的に、雌雄を厳選して産卵を継続させていきます。

・本来、自然に冬眠からお越し産卵させるならば、4/中旬くらいからが産卵時期です。
 ヒーター等を使わなくても産卵可能となります。


・2〜3月に産卵させるのは人間の勝手です。魚へは、それなりの負担がかかると思います。
 常に種魚の体調を観察する必要があります。


・ヒーターの使用により想像以上に電気代がかかります。
 私は、60×90(約80リットル)のセメント舟を産卵舟として使用しています。


・前述の工程で、常に「バイオバクテリア水」を活用していきます。

 今年の飼育経過からも一年を通してバクテリアを有効的に活用でき、いかに飼育舟の
 中を善玉菌で優先種としておくことが大切であるかを実感しています。

  (バイオバクテリアAnakasによる飼育はとても「楽」です)


・魚は季節の移り変わりを知っています。
 早い時期の産卵は魚の体調を一番に考え無理せず、優しく接してあげたいと思います。

< TAKUYAの飼育状況 >

明二歳の仕上がり

・年が明けて、TAKUYAの魚達も仕上がって来ました。
 体調も13センチに届いて来ました。

・現在の飼育水温は、10〜13度程度です。

・厳寒地でも、バクテリアを上手に活用し飼育しております。

飼育舟の状況



< 1月第2〜3週の飼育状況:いよいよ冬眠から起こします(1/17) >



・冬らしい日が何日か続きます。しかし、すぐに低気圧が近づきます。
 本当に暖冬だと感じます・・・沖縄ではセミが泣きだしたそうです。
 (例年は3月に泣き始めるセミが)桜の開花とのニュースも聞かれます。

種魚の飼育舟(1/13〜14に飼育水温を15度へ上昇)

・ベランダに設置している飼育舟の水温は朝晩:5〜6度、天気が良い日は
 昼間:10〜12度まで上昇します。(東京では)

・この温度が上昇した天気の良い日、1/13〜14にかけて飼育水温を
 15度に設定しました。(飼育水を半分差し替えました)

・各舟には、10〜15匹。雌雄は分けずに、複数の舟に均等に分散させて
 安全サイドの飼育に心がけます。
 (一匹ずつ洗面器で体調をチェックします。皆、健康体です)

・飼育水の濃さは、画像程度です。水深は約15センチです。
 冷凍赤虫と、粒餌を湿らせて消化を良くして少量与えていきます。

・この15度で2週間の飼育を予定しています。次第に雌雄の判別が確実に
 行えるようになります。

メスの腹が出来てきました

・暖冬のせいか、メスの腹が出来始めています。
 完全に熟成してくるのはこれからです。熟成してくると腹は膨らみ、
 黄色味かかって来ます。卵管もでてきたようです。

・魚を熟成させて産まれた卵は、「飴色」のように輝きます。

・バイオバクテリアでの飼育(冬眠)では、屋外の青水、室内での茶褐色の
 飼育水、透明度の高い飼育水の中でも魚が熟成します。

・また、オスでも腹が柔らかく仕上がることが大切です。固い腹のオス
 からは、精子が出にくいように思えます。(雌雄を問わず腹の柔らかい
 弾力ある魚にすることが良い産卵に繋がります)

「特徴ある現代的な種魚」を使います

・らんちゅうは、「尾で始まり尾で終わる」と昔から言われ評価基準の
 ひとつとなっています。確かに尾が大切です。
 しかし、魚はトータルバランスが大切だと感じます。
 現代的で粋な迫力ある魚を目指して創作したいと私は考えています。

・画像のような、前方にフンタンが発達した龍頭。目の幅で体の線が腹まで
 直線となり、角腹の形成されたボディー。
 そして、ぐっと横へ張り出し裾をおろした尾形です。
 (柄も出方も血の継承だと感じます)

・2/17〜20の大潮を試験的な産卵として、
 3/4〜7と3/19〜21の大潮を本番の産卵として計画しています。

< 1月第4週の飼育状況:飼育水温は15度前後、順調です(1/26 >

・今日は冬晴れ、北風で冬らしい一日でした。
 夕焼けの空に「宵の明星」が輝いていました。
 透き通った空気、冬らしい景色です。
 しかし、記録的な暖冬による被害もでているようです。
 魚達への産卵等にも何らかの影響はあるように感じます。

種魚の飼育舟(1/23早朝撮影、水温15度に調整中)

・冬眠から起こし始めて10日が経過します。種魚達の状態は良く、
 飼育舟を眺めていても気持ち良く感じます。
 このまま、1月末まで15度をキープさせます。
 (サーモヒーターにて調整しても、朝は13度、日が当たる昼間は
  18度程度まで水温は変化しています)

・水深は、約15センチ、薄い青水のバクテリア飼育水です。
 雌雄の特徴も確認できるようになってきました。
 オスだと思っていた魚がメスだったり、本当に明二歳の雌雄判別は
 難しいと毎年痛感します。

明二歳魚の一部画像紹介(1/23早朝撮影)

・上段画像の魚はオスです。4/下旬の仔を飼い込んできたら、
 ここへきて仕上がって来ました。柄、尾形が良く種候補に追加です。

・下段の左がメス、右がオスです。やはり、冬眠から起こし始めて
 その仕上がりの良さに気がつきました。驚いています。

・餌は、朝晩に冷凍赤虫を匹数あたり、約一欠片与えています。
 また、品質良い粒餌を湿らせて、昼間与えられるときに給餌します。

・バイオバクテリアは、3〜5日間隔で投与し、
 3〜5日間隔にて、飼育水の3割程度の差し替えにより
 刺激を与えています。

・昨年の飼育記録でも同様な事を記載した記憶がございますが、
 今後、オスに追い行動がでてくると、雌雄、別々の舟による飼育となります。
 このとき、メスの飼育舟の差し水間隔は長めにし、
 オスの飼育舟の差し水間隔は短くします。
 メスの差し水が過度になると、せっかく熟成し柔らかく
 なってきた腹が固くなることが多々あります。
 この点に注意して頂きたいと思います。

「すずめ」がバクテリア飼育水を飲みに来ます

 ・上手いタイミングで「すずめ」がバイオバクテリア飼育水を
  飲みにくる様子を撮影することができました。
  (飼育舟とファイロンの波板の隙間から上手に飲んでいきます)

 ・彼らは、バクテリア飼育水の栄養価がわかっているようです。
  近くに置いた、バケツの汲み置きの水には見向きもしません。



< 1月第5週の飼育状況:明三歳魚達も順調に成長しています(1/31) >



 ・夜空には「満月」、明日から2月:第1回目の大潮を迎えます。
  暖冬で、この大潮から仔引きに入る方も多いようです。
  しかし「慌てず3月の仔引きにあわせるように魚を仕上げているよ」
  との連絡も頂きます。自分の飼育環境等と魚の状態で産卵期を決める
  ことをおすすめいたします。無理な産卵からは良い結果がでません。

明三歳の飼育舟(1/31:夕刻撮影、水温10度越え)
明三歳魚の一部画像(1/19〜30撮影)

・暖かい日が続いています。今日は、4月上旬の気温だったようです。
 ヒーターを入れていない、三歳魚の舟でも、夕方の水温で10度を
 越えていました。
 (とかく、この時期「明二歳魚の種魚」の飼育が主体となって
  しまいますが、久しぶりに見る三歳魚の迫力にも満足しました)

・三歳を越えた魚の産卵時期の調整は難しく、私は、二歳を中心に
 仔引きにチャレンジしていきます。
 しかし、今年の三歳の仕上がりを見ると、バクテリア飼育水の中で
 成熟度が高く、すぐにも産卵できる状態です。

三歳魚の飼育舟と仕上がり状態(1/31夕刻撮影)

・画像は、60×90(水量も80リットル弱)の舟です。
 この中に三歳魚を10匹放匹して飼育してきました。
 青水のバクテリア飼育水の中で、特段、飼育に力も入れず、
 もちろん、加温もしていません。
 いつのまにか、18センチを軽く越える魚もおります。
 これが、バイオバクテリアAnakasアナカスの力だと
 感じています。
 (有機物が豊富で弱酸性により健康体で迫力と品のある体に
  仕上がります)
 狭い飼育環境でも、無理なく、この様な仕上がり状態へと
 もっていけます。

・三歳魚も少しずつ水温を上げていきたいと思います。
 二歳よりも先に産卵しそうなメスもいます。

三歳魚の状態(1/31夕刻撮影)

◎前回の飼育記録では、種魚の飼育水の差し替えについて記載させて頂きました。 

 今後、雌雄が追い始めると、別々の飼育となります。
 このとき、メスの飼育舟の差し水間隔は長めにし、
 オスの飼育水の差し水間隔は短くします。
 メスの差し水が過度になると、せっかく熟成し柔らかくなってきた
 腹が固くなることが多々あります。
 この点に注意して頂きたいと思います。

◎種魚に対する、「餌の与え方にポイントはありますか」とのご質問を頂きました。

 1月の中旬から種魚達は15度にて飼育してきました。
 明日から(2月から)飼育水温を18度へ上げます。
 雌雄の確認も容易になります。
 今後は、可能な範囲で雌雄を分けて飼育していきます。

 このように雌雄を分けた後、
 オスは、冷凍赤虫を主体として適量に控えます。シャープな体に仕上げます。
 オスに対して、栄養価の高い餌を多量に与えていくと、
 追い行動や精子の量も少なくなってしまうように感じます。
 
 メスは、品質の良い粒餌を湿らせて、冷凍赤虫と半々程度に与えていきます。
 腹が柔らかく膨らみ抱卵します。
 どうしても、オスの産卵態勢が早く整います。
 雌雄の状態を確認し、餌の量、差し水の量と回数を調整して、
 「雌雄の産卵タイミング」をあわせます。


・2月中旬以降の大潮〜を産卵時期と考えております。
 しかし、あくまでも予定です。自身の体調、産卵に対応できる時間や
 魚の状態により、無理のないようにチャレンジしていきたいと思います。



        2007年バイオ飼育記録 bQ