< 1月最終〜2月第1週初めの飼育状況:種魚達は冬眠から目覚め、産卵態勢が整います! (2/1) >


 ・1/27、東京にも雪雲が入ってきました。画像のように晴天の空に低い雲が進んできます。  
 
 ・雪害や噴火のニュースが流れます。自然の力の凄さを感じる毎日です。
  豪雪地域の方からは、2〜3メートルの積雪で、屋外のビニールハウスの倒壊との連絡もありました。
  東京でも一昨日、小雪が舞いました。毎朝氷が張り、乾燥した寒い日が続いていました。
  今日から冬型の気圧配置が崩れ少し暖かくなりました。もうすぐ暦の上では「立春」、しだいに春を迎えます。

(種用:明二歳魚の飼育舟画像−1/27撮影)

 ・明二歳魚も、順調に冬眠から目覚めています。
  現在の飼育水温は18度です。2/16〜の大潮より産卵に入りたいと思います。


・種メスの腹は、ふっくらと抱卵してきました。半月前と比べても大きく柔らかくなっています。


 ・種魚達は、バクテリア飼育水の中で、とても良い健康状態です。
  一回り大きくなり、頭にもしっかり脂肪が乗り、色艶良く輝いています。


 ・種オスの前ひれには、「追いほし」がでています。
 
 ・現在、給餌は、朝:Aバクテリアに浸した粒餌、昼と夜に冷凍赤虫を与えています。
 
 ・バクテリアは、1回/4日の投入です。総合飼料と有機物が豊富なバクテリア飼育水
  の中で、魚達の生殖ホルモンの分泌が促進されていきます。

(主力の種雌雄達:二歳〜三歳)
オス種魚 メス種魚

(種用:明二歳魚の飼育舟画像−2/1撮影)

 ・今日は、久しぶりに気温が10度を超えて小春日和になりました。
  休みがとれて、種魚の状態を確認してみました。
 
 ・3舟に分けた種魚の飼育舟。各舟のバクテリア飼育水の色は青〜茶褐色。
  いずれの舟の状態も万全です。魚達は凄い勢いで餌を要求してきます。


 ・メスの腹は、この時期にしては早い熟成度のように感じます。
  今年の厳寒が、魚達にとっては良い方向に働いているようです。
 
 ・これからメスの腹は、さらに柔らかく、腹の中心の筋も柔らかくなって卵管が紫色をおびてきます。
  焦らず、じっくり種魚達の出来上がりを待って産卵に入ります。

(種用:明三歳魚−2/1撮影)

 ・画像のように、三歳のメス達も、今年は抱卵状態が早く感じます。
  過去の経験から、寒い冬のときの方が親魚の産卵態勢は整いやすく感じます。

(春の息吹:菜の花が咲いていました)

 ・近所の畑には、菜の花が咲きはじめました。公園にはビオラも勢い良くとても綺麗です。
   春の到来!・・・また、忙しく楽しい、らんちゅう飼育の一年が始まります。

< 2月第3週の飼育状況:いよいよ産卵仕掛けに入ります! (2/16) >

(2/15早朝:東京も積雪)

 ・冬型の気圧配置も崩れて、14日の晩から太平洋岸でも雪となりました。
  東京では3〜5センチ程度積もりました。湿った雪で一日で溶けてしまいます。
  天気の移り変わりが速くなってきました・・・いよいよ春の到来です。

(2/16朝:大潮に合わせて産卵仕掛け)

 ・三歳、明二歳魚とも順調に冬眠から目覚めました。
  今日から大潮、そして明日と明後日には低気圧の接近との予報です。
  産卵の条件が整い(無理はさせませんが)今年初の産卵仕掛けに入りました。  
 
 ・60×90の舟:3面に産卵仕掛けをしました。
  私は、産卵水温を20〜23度で行います。
  浄化:Aバクテリアを産卵舟に投入しています。
  透明なバクテリア水の中の産卵ですと、汚れは分解されて、受精率も高くなります。

(三歳魚の産卵仕掛け)

 ・今年の冬は寒さが厳しかったこともあり、三歳魚の産卵態勢が整っているようです。
 
 ・親魚は、明二歳魚に比較して、例年、産卵期が遅くなるように感じます。
  この大潮で仔引きできるかは不確定ですが、試験的に仕掛けてみました。

(明二歳魚の産卵仕掛け)

 ・明二歳魚は、2舟に分けて産卵仕掛けしました。
 
 ・メスの腹は柔らかくプヨプヨしています。腹の中心の筋も柔らかくなります。
  卵管は充血したように赤紫色になっています。
 
 ・オスの前ひれには「追いほし」が、腹を軽く押すと精子が出ます。


 ・左の舟が明二歳、右の舟が三歳です。夕方、手作りの魚巣を入れました。
  なんとなく、魚達がそわそわしていますが、まだ魚巣には近寄りません。
 
 ・明日の朝から早起き生活が始まります。
 
 ・例年どおりに、白ワセリンを塗布した容器の中にリンゲル液を入れて、
  その中で、精子を絞り〜卵を絞り〜精子を絞る・・・人工受精を行います。 

< 2月第3週の飼育状況:2/19:「2腹産卵!」理想的な人工受精に成功! (2/19) >

(1/19早朝:人工受精に使用)

 ・大潮と低気圧の接近で、昨日:1/18の早朝に産卵を見込んでいました。
  一日遅れましたが、本日:1/19の早朝:6時に「2腹が産卵」、人工受精に成功しました。
 
 ・全て予定どおり、バクテリア飼育による魚の健康体が成せる技だと思います。
  冬眠からお越し始めて一ヶ月と一週間:40日程度です。
  まったく病気の発症も無く、雌雄ともに成熟してきました。
 
 ・人工受精は、画像のように、小ぶりのどんぶりの内側に「白ワセリン」を塗布します。
  その中に、リンゲル液を100〜150cc程度を注いで準備しておきます。
  ワセリン、リンゲル液500ccともに300円です。とても安価に人工授精が可能です。

(1/19早朝:6〜7時に人工受精を完了)

 ・画像のように、容器の中に使いたいオスの精子を絞り、次に産卵が始まったメスの卵を絞ります。
  この作業を繰り返し、軽く指でかき混ぜて、綺麗な汲置き新水の孵化舟に撒きます。
  そして、夕方には、浄化:Aバクテリアを投入して、20〜22度で4〜5日で孵化を迎えます。
  浄化バクテリアによりカビ等の発生も抑制できます。
 
 ・どんぶりの容器はメスの腹の中の状態を作るためです。卵を包む皮がワセリンであり、
  卵は体液であるリンゲルの中に存在させて、そこに直接、オスの精子を絞ります。
 
 ・この方法ですと、精子が少量でも確実に受精させることが出来ます。
  通常は飼育水の中での受精・・・精子が卵子にたどり着くには、いろいろな抵抗物質があります。
  リンゲルの中では、無抵抗状態となり、ほぼ完全な受精が期待できます。


 ・ワセリンとリンゲル液を使わないと、卵は容器に「だま」になって張り付いてしまいますが、
  画像のように、産卵舟に撒いた後は、容器の中にはほとんど受精卵は残りません。
 
 ・孵化舟は、撒いた受精卵でいっぱいです。孵化舟に撒いた時点で卵が付着します。

(bPの組み合わせ雌雄)

 ・上段が種メスです。2〜3段目が使用した種オスです。
 
 ・メスは、強烈な龍頭の頬白赤勝更紗です。現代的特長を備えた良魚です。
  オスも各所に特徴あるエース級の4匹の精子にて、人工受精をさせました。
  精子を絞ったオスの順は、2段目の左→2段目の右→3段目の左→3段目の右です。


 ・卵の色艶も良く、産卵舟への粘着もしっかりしています。

(bQの組み合わせ雌雄)

 ・上段が種メスです。2〜3段目が使用した種オスです。
 
 ・メスは、黄龍頭、縁取りと腹下は朱赤です。日らん大関の直系です。綺麗な柄の仔を期待します。
  オスも各所に特徴あるエース級の4匹の精子にて、人工受精をさせました。
  精子を絞ったオスの順は、2段目の左→2段目の右→3段目の左→3段目の右です。


 ・この腹も、卵の色艶も良く、産卵舟への粘着もしっかりしています。

(受精卵を巻いた孵化舟:ヨシズで遮光)

 ・受精卵は、直射日光を当てません。4〜5日目の孵化が始まるまでは覆います。
 
 ・この時期、外気は冷えています。確実な加温により水温:20度以上をキープさせます。
 
 ・また、明日の早朝も産卵がありそうです。熟成したメスがオス達がそわそわしていました。
 
 *人工受精の詳細画像は、次回の大潮のときに家族にお願いして撮影したいと思います。 
   記述だけでは、正確にお伝えできません。ご了承願います。
   また、疑問点につきましては、お問い合わせくださいませ。
 
 *「メスの腹が成熟せず、なかなか産卵しない!、なかなかオスが精子を出さない追わない!・・・」
   等と悩まれている方は、是非、粒餌にAバクテリア(浄化・機能活性化)を浸して、
   一日一回給餌してみてくださいませ。
   魚は内臓から健康体となり、生殖ホルモンの分泌も促進されます。

< 2月第4週初めの飼育状況:2/19〜20で順次産卵が継続!受精率も高いです! (2/21) >

(1/19産卵の受精卵:ほぼ100%が受精!)

 ・画像は、産卵舟に撒いた、孵化後:2日目の受精卵の状況です。
  高い受精率でとても嬉しいです。1/19:2腹の人工授精は成功、ほぼ100%の受精率です。
 
 ・白くカビた卵は見当たりません。孵化舟の底面に撒いた卵、撒いたときに舟の側面に付着した卵、
  そして、人工授精に使用した容器の中に残ってしまった少しの卵、すべての卵が黒くなっています。
  受精卵の中で、稚魚誕生への細胞分裂が順調に進んでいます。
 
 ・現在の水温は、(まだまだ気温が低く)水温の低下リスクを避けるため、21〜22度くらいです。
  4日目から孵化が始まると思います。
 
 ・4日目の朝には水温を23度へ上げて、全体の卵をいっせいに孵化させます。
  これは稚魚の大きさを揃える工夫です。

(bRの組み合わせ雌雄 : 2/20産卵)

 ・今回は、早朝6時:自然産卵が始まっていて半分が自然産卵、半分が人工授精です。
 
 ・上段が種メス2匹です。2〜4段目が使用した種オスです。
 
 ・メスは昨年の大会役魚、強烈な龍頭の大型赤勝更紗です。現代的特長を備えた良魚です。
 
 ・オスも各所に特徴あるエース級の6匹を使いました。
  6匹のオスによる自然産卵と2〜3段目のオス4匹で人工受精をさせました。
  精子を絞ったオスの順は、2段目の左→2段目の右→3段目の左→3段目の右です。


 ・画像は、2/20の産卵時のものです。本日、1日経過後:自然産卵の卵の状態を確認してみました。
  想像以上に受精率が高いようです。卵と精子の状態が良いからです。
 
 ・人工授精のときの画像も、少しだけ撮影してみました。
  容器の中に、精子と卵を繰り返し絞りました。その後、指先で軽く攪拌しています。
  一部の卵は容器に付着していますが、ほとんどの卵は浮遊し孵化用に準備した舟に撒ける状態です。 
 
 ・今回も、受精卵は色艶良く、産卵舟への粘着もしっかりしています。

< 2月第4週の飼育状況:2/19〜20産卵→2/22〜23で孵化:ブライン給餌! (2/26) >

  ・皆様からも、「産卵したよ・・・」(茨城、千葉、静岡、三重、兵庫、広島、佐賀・・・)
   と、お電話を頂いております。
   皆さん、バクテリア飼育水の中で種魚を熟成して、予定どおりの産卵です。
   とても嬉しく感じます。
 
  ・でも、慌てる必要はありません。まだ2月末、本来であれば、4/末が産卵期です。
   ご自身のペースで、無理のない産卵をお勧めいたします。

(2/19〜20人工授精→2/22〜24孵化)

 ・2/19〜20に産卵:受精卵は、水温:20〜22度の中、4〜5日間で孵化を完了。
 
 ・画像は、本日2/26の朝に撮影しました。孵化数、針仔の泳ぎ出し、体形、体色等・・・
  例年並みといった感じです。現状での一喜一憂は禁物です。
 
 ・これから、尾先がしゃもじ形に開いてくる状況を見極めたいと思います。
  (稚魚の飼育水温は、20度未満にならないように注意が必要です)
 
 ・孵化2日目の夕刻から、卵の黄身を布越しで与えました。
  (ゆで卵の黄身を与えると稚魚の腹の中で消化酵素が活性されます)
  そして、昨日:2/25の夕刻からブラインシュリンプに切替ました。
  
 ・これから、朝と晩の2回、ブラインを与えていきます。
  孵化率の良いブラインを使用することは、良い稚魚を育てる上で大切な要素になります。
  (参考:私が選んだブラインシュリンプ:

(2/20自然産卵→2/23〜24孵化)

 ・自然産卵で孵化した稚魚も、想像以上に孵化していました。
  画像のように、舟の底を泳ぎながら、盛んにブラインシュリンプを食べています。
 
 ・無精卵や卵の抜け殻等の汚れは、バクテリアにより分解されています。
 
 ・ブラインシュリンプを与える時期から、Aバクテリア(浄化・機能活性化)に加えて、
  Bバクテリア(免疫効果)も投入します。
  親からの免疫が切れる時期が明確でなく、私は、ブラインを与え始めると同時に、
  稚魚に免疫力をつけます(ヘルペス抗体)
 
 ・来週、関東では、3/3〜6にかけて大潮です。
  月曜からは、気圧配置から低気圧も接近します。産卵が誘発されると予想されます。
 
 ・産卵態勢の整った種雌雄が待っています。
 
 ・前回産卵した種魚もバクテリア飼育水:18度の中で体調は万全です。
  メスは、お腹に卵をしっかり抱えています。期待の2番腹を狙いたいと思います。 


         2011年バイオ飼育記録 bR