< 4月第1〜2週初めの飼育状況:4/9:やっと産卵が再会、産卵本番を迎えたいです ! (4/9) >

(隣の公園の桜!満開 : 4/9撮影)

・やっと桜が満開になりました。
 今年は日本列島に寒気が居座り、先日は猛烈な低気圧の襲来。
 梅の花と桜の花が同時に満開です。
 産卵も思うように進まず、この異常気象に振り回されている感じです。
 
・久しぶりに暖かくなりました。
 今日は初夏なみでした。東京は23度を越えて6月上旬の気温になりました。
 産卵も再開・・・、小淵沢の大型ハウスで1腹引けました。

(自然産卵 : 4/9の夕刻撮影)

・早朝5時、ハウスに行くと自然産卵が始まっていました。
 魚巣に卵が産みつけられています。産卵舟は精子で白濁していたそうです。
 
・今回も残念なことに自然産卵になってしまいました。(人口受精できませんでした)
 しかし、しばらく続いた「産卵しそうで産卵しない状況」から抜け出せた感じがします。
 (お譲りする皆様をお待たせしてしまっております。もう少しお待ちくださいませ)

(bS:組み合わせ雌雄)

・上段がメスです。2〜3段目が使用した種オスです。
 
・メスは、強烈な龍頭の赤勝更紗です。頭骨の発達した現代的特長を備えた良魚です。
 オス4匹も各所に特徴あるエース級です。しっかり精子を出していました。
 
・この暖かさに乗って、「産卵の波に乗りたい」と思います。種魚達の体調は万全です。

(bQの腹:孵化後31目
3/5産卵→3/9に孵化の稚魚 : 4/9撮影)

・孵化後1ヵ月を経過しました。青仔になっています。
 気温も上がり、今日は絶好の選別日和になりました。
 
・最初の選別です。順調に成長していますが、早産まれの仔達なので歩留まりは良くありません。
 約3〜4割りしか残りません。しかし、残った魚達は期待できる仔が何匹かはでてくれると思います。

(bPの腹:孵化後44日目
2/21産卵→2/25孵化の稚魚 : 4/9撮影)

・孵化後1ヵ月半を経過しました。黒仔に成長してきています。
 
・適当に飼育舟からすくって撮影してみました。
 目先が長く、雰囲気は良いのですが、大小差があります。

(産卵仕掛け継続 : 4/9夕刻撮影)

・種魚達の体調が万全です。
 抱卵状態、精子の状態も良好なのに、これだけ苦戦するのは初めてです。
 
・全国的に、早産まれの孵化魚の歩留まりは悪く、
 2/下旬〜3初めに産卵したのに、3/下旬からの大潮で産卵しないとの連絡が届きます。
 通常は、最初に産卵したメスは10日〜2週間で産卵します。
 
・気温も上がり始め、バックアップの種魚達も産卵態勢が整ってきています。
 しかし、今年は特に拘った種雌雄を選抜しました。
 妥協することなく、この種魚での産卵を継続させます。    


[参考:選別方法の目安(毎年掲載)]


・この時期の選別は、上見で尾の状態を基本に選別します。
  (「ジャミッコ」と呼ばれる、未熟で完全に体の曲がった魚やフナ尾の魚は当然はねます)
 
@からBまでの尾形の魚を残します。
 
・この時期で@の尾形の魚は、飼育していくと次第に尾の張りが強くなり過ぎることがあります。
 (この場合は、若干水深を深くとってあげると、このままの良い状態の尾を維持できます)
 
Aの尾形の魚が、この時期としては一番良い状態と考えます。
 稚魚の背は、まだ出来上がっていません。
 これから、「背」や「とまり」が決まってくると尾は前へ出てきて、ちょうど良い尾形が形成されます。
 
Bの尾形は、逃げていますが、系統によりこれから開いてくる可能性を秘めています。
 ここまでの尾方の魚を残します。
 
・また、Cの画像は、絵が下手で恐縮ですが、この時期に背を見て選別する必要はないということです。
 これから、稚魚の背が弧を描くように仕上がってきます。その時点で、凹部分は埋まってきます。
 この時期で横から背を見ての選別は不用と考えています。
 
 
◎お恥ずかしいですが、以前、下記のような図式の選別方法も記載いたしました。
  参考程度にご覧くださいませ。

「選別時の参考図」によるご説明


 最初の選別では、上図のbPのように体がまっすぐな魚を残します。
  系統により尾の開きが遅く、一ヵ月半もかかるものもあるので、
  尾の開きを厳しくとらないことが大切です。

 ・bQのように特別小さい魚、
  bRのようにフナ尾の魚、
  bSのように体が曲がったり尾の付けが曲がった魚、
  bTのように、目先が無い魚や片目の魚、
  また、尾が開き過ぎて泳げない魚は、はねます。

  最初の選別で、どの程度残るかで、その腹が評価できます。
  (バクテリア飼育では選別を遅らせる事が出来るので、
  私は一ヶ月から一ヶ月半位に最初の選別を行います。
  しかし、たまにボールで救って、フナ尾の魚は餌が無駄になるので
  早めにはねます)

 ・2回目の選別は二ヶ月位で行います。
  尾はbUの感じの魚を残します。
  尾が「おわん」のような曲線を持つ魚を残します。
  bVは尾がすぼけていて、茶わんをひっくり返したような尾です。

 ・また、bWは「さし尾」です。
  魚を断面から見ると尾付けの部分に膜がはったように見えます。
  とかく、「さし尾」の魚は尾形が良いのですが、フナへの先祖帰りで、
  ゆくゆく頭が出ない魚になると言われています。

 ・bXは腰高の魚で、この時期は背の浅い魚を残すべきです。
  成長とともにどんどん腰が高くなっていきます。
  bP0は頭の後ろが高い魚です。
  bP1は、尾に摘みのある魚です。このよな魚も早めにはねます。

< 4月第3週初めの飼育状況:4/17早朝:3腹が産卵!このまま継続的な産卵を期待します ! (4/17) >

(隣の公園の桜!→葉桜へ : 4/17撮影)

・桜の木が私の飼育カレンダーです。桜の花は散り、新緑の季節を迎えようとしています。
 4/中旬、気温は上昇して例年なみになりました。暖かさも安定してきました。
 
・今朝、やっと(今春はじめて)満足できる産卵を迎えることができました。
 東京のバルコニーで:2腹、自宅の大型ハウスで:1腹が産卵しました。
 
・潮目(大潮が近づき)も良くなり、低気圧の接近も良い方向に影響したのかもしれません。
 やはり、4月に入り、自然に順応した産卵期を迎えたのだと思います。

(自然産卵:3割、人口受精:7割 
   2匹が産卵 : 4/17早朝撮影)

・一昨日、産卵方法を切り替えました。
 2月〜寒い時期には、加温して人工的に産卵を誘発してきましたが、
 今年は、思うように産卵行動へもっていくことができませんでした。
 
・種魚達は雌雄ともに体調は万全です。産卵に使用している60×90センチの舟の中では
 魚達(成長)にとって窮屈になっていきます。
 (例年なら、この方法が一番だと確信していましたが)
 
・そこで、14〜15匹の種雌雄を90×150センチの大きな舟に移し、
 水温も18〜19度に下げ気味、餌は午前にバクテリア水を浸した粒餌と冷凍赤虫のみ、
 午後からは、十分に泳がせて運動させました。
 人工的→自然産卵態勢に切り替えです。


・早朝、産卵舟を確認すると、凄い勢いで雌雄が追いあい、魚巣の上は波立っています。
 画像のように、薄い青水の中で産卵していました。
 今朝の産卵は期待していませんでした。昨日、飼育水の差し替えも行いませんでした。
 (5〜6月になると親舟の青水の中でも産卵することは経験しますが・・・驚きました)
 
・2匹のメスが産卵しています。
 すでに魚巣に卵が産みつけられていました。
 腹を軽く押すと、まだ、たくさんの卵が残っています。
 
・あわてずにリンゲル液の中で人口受精させました。
 容器:小どんぶりに5杯・・・精子の状態、卵の状態も満足でした。
 新水を汲み置きした産卵舟に受精卵をまきました。
 良い受精、良い稚魚の誕生を祈ります。


・産卵後は、雌雄ともに洗面器(5〜6リットル)にイソジンを数滴入れて
 魚体を5分程度消毒して、次の産卵舟へ放します。
 メスの卵管は特に消毒が必要だと思います。
 卵管が開いているため、炎症や雑菌の影響を受けやすいからです。


・各産卵仕掛けの舟の魚達も、気持ち良さそうに泳ぎ、餌を求めます。
 
・今までの方法に執着せず、柔軟な対応が良い産卵に繋がったと思います。 

(bT:組み合わせ雌雄)

 ・上段が種メス:2匹です。2〜5段目が使用した種オスです。
 
 ・メスは、強烈な龍頭の一文字と頬白赤勝更紗です。
  バランス良く、現代的特長を備えた良魚です。
 
 ・オスも各所に特徴あるエース級の4匹の精子にて人工受精をさせました。
 
  精子を絞ったオスの順は、
   左メスに:2段目の左→2段目の右→3段目の左→3段目の右
   右メスに:2段目の左→2段目の右→3段目の左→3段目の右
 
 ・人口受精用の5容器分を人口受精できました。
  容器の内側に白ワセリンを塗布して、各容器に250〜300ccのリンゲル液を入れてあります。
  この方法ですと、ほぼ100%の受精が可能です。
 
 ・自然産卵で3割、人口受精:7割・・・2匹のメスが6000〜7000個を産卵した感じです。

(bU:組み合わせ雌雄)

・上段がメスです。2〜3段目が使用した種オスです。
 
・メスは、強烈な龍頭の赤勝更紗です。頭骨の発達した現代的特長を備えた良魚です。
 オス4匹も各所に特徴あるエース級です。しっかり精子を出していました。
 
・すでに産卵がはじまっていて、9割が自然産卵、1割が人口受精でした。
 約1500〜2000個くらいの卵数のようです。

(自然産卵の舟の水換え : 4/17の午後撮影)

・自然産卵の舟は、種魚達の産卵行動で汚れてしまいます。
 産卵から数時間後に、新水に入れ替えると受精率が高まります。
 
・受精卵は、紫外線の悪影響を受けないように、ファイロンの波板とヨシズで遮光します。
 
*今年は産卵に苦しんできましたが、本日の産卵で一変したように感じます。
  早産まれの稚魚の歩留まりの悪さは仕方なく、これからが本番です。
  2/末に1腹、3/上旬に3腹、3/中〜下旬は駄目、4/上旬に1腹、そして4/中旬に3腹。
  異常気象、天候不順の中でも順調なのかもしれません。
  産卵準備、産卵仕掛けの方法を見直したことで、腹が硬い抱卵メスも柔らかくなってきたようです。

< 4月第4週初めの飼育状況:4/17〜4/23の大潮で7腹が産卵!産卵本番です! (4/23〜25) >

・順調に産卵が継続しています。
 全国の皆様からも「産卵態勢に入った・・・」との連絡も頂けます。
 
・大潮と低気圧の停滞が、絶好な産卵条件になったようです。 

(bV:組み合わせ雌雄 : 4/20の早朝撮影) 

・4/20の産卵です。         
 
・上段が種メス:2匹です。2〜5段目が使用した種オスです。
 
・メスは、強烈な龍頭の綺麗な更紗柄の二匹です。
 バランス良く、現代的特長を備えた良魚です。
 
・オスも各所に特徴あるエース級の8匹を仕掛けて「自然産卵」になってしまいました。
 
・4時起き、まだ真っ暗でしたが、すでに産卵は最高潮、そのまま自然産卵に任せました。


・魚巣には、たくさんの卵が産みつけられていました。
 本日、4/23から孵化が始まっています。
 自然産卵なので匹数は期待できないかもしれません。 
 稚魚の体形は良さそうです。

(bW:組み合わせ雌雄 : 4/22の早朝撮影))

・4/22の産卵です。
 
・上段がメスです。2〜3段目が使用した種オスです。
 
・メスは、強烈な龍頭の綺麗な更紗です。頭骨の発達した現代的特長を備えた良魚です。
 オス4匹も各所に特徴あるエース級です。しっかり精子を出していました。
 
・完璧な人口受精ができました。
 
・オスは、2段目左→2段目右→3段目左→3段目右の順に精子を絞りました。
 
・受精率も高く、4/25から孵化が始まる予定です。

(bX:組み合わせ雌雄 : 4/23の早朝撮影))

・4/23の産卵です。
 
・上段がメス(3歳魚)です。2〜3段目が使用した種オスです。
 
・メスは、強烈な龍頭の3歳:赤勝更紗です。頭骨の発達した現代的特長を備えた良魚です。
 オス4匹も各所に特徴あるエース級です。しっかり精子を出していました。
 
・今朝は5時過ぎから、完璧な人口受精ができました。
 
・オスは、2段目左→2段目右→3段目左→3段目右の順に精子を絞りました。
 
・卵の大きさ、色艶も良いようです。4/26から孵化が始まる予定です。


(産卵2日目の受精卵 : 4/25撮影)

・3歳メスの卵は大きく感じます。
 人口受精が上手くいきました。
 画像のように、白くカビた卵は少なく、ほとんどが受精しています。

・2/末に1腹、3/上旬に3腹、4/上旬に1腹、4/中旬に7腹・・・計12腹の産卵です。
 
・4中旬からの孵化匹数、孵化状態や稚魚の泳ぎだしは、とても良く安心しました。
 歩留まりも期待できそうです。(平均的に良さそうです)
 
・今年は、期待の種雌雄の選抜、飼育設備の拡張により、
 5/上旬まで仔引きを予定したいと思います。
 
・明日から天候も回復し、初夏のような気温になるようです。
 各腹の成長状況も、随時、撮影して掲載させて頂きます。
 皆、バクテリア飼育水の中で元気に順調に成長しています。
 

(bPの腹:孵化後60日
2/21産卵→2/25孵化の稚魚 : 4/25撮影)

・孵化後2ヵ月を経過しました。順調に黒仔へと成長しています。
 
・久しぶりに選別を行いました。(甘い選別:300匹程度が残りました)
 画像は選別後に冷凍赤虫を与えたときに撮影しました。
 舟は60×90センチ、水深は11センチです。
 冷凍赤虫1枚を10分で完食してしまいます。(3時間間隔で与えます)
 群れて競争させることが大切です。これからいっきに成長していきそうです。
 
・早産まれで、大きさにバラツキが目立ちます。
 目先が長く、雰囲気の良い黒仔もいるようです。
 この腹は試金石です。種雌雄が同じです。
 近々に産まれた稚魚達の、今後の雰囲気をつかみます。

(4/17〜産まれた稚魚達
ブラインシュリンプを食べて順調です : 4/25撮影)

・各腹ともに、順調に孵化してきました。舟は稚魚達でびっしりと埋まっています。
 稚魚の匹数、大きさ、体形、色艶ともに良く感じます。少し安心しました。
 歩留まりが良さそうで、平均的に全体が揃っています。
 
・もう少しで、尾の「しゃもじ形」が確認できます。
 一番良い時期の産卵稚魚達です。期待したいと思います。 


        2012年バイオ飼育記録 bT