< 2月第1〜2週の飼育状況 >

2月中旬の「大潮」まで1週間!産卵準備を進めています!慌てず無理せずマイペースで!

15℃に加温した飼育舟の画像 (2/4撮影)

 ・2月に入りました。1月末の「大潮」で「産卵成功!」とのご報告も頂いております。
 
 ・上手く受精し孵化した方も、駄目だった方も、けして焦らないでください。人工的に加温した中で種魚が対応し、
  雌雄とも産卵態勢が整ったことの確認ということからも、今回のトライは意味があると思います。
  きっと次の産卵では、さらに良い受精率を期待できると思います。
 
 ・東京では最高気温が2/3に12℃、翌日2/4は5℃と寒暖の差が激しい天候が続いています。
  画像のように、全ての飼育舟を加温しています。現在の水温は15℃キープです。
 
 ・気温の変化が激しく、昼間でもファイロンの波板で覆っています。(夜間は、さらにダンボールを被せて保温しています)
  冬型が強まり、北風も強く、保温材が飛ばないようにレンガをのせています。
 
 ・2/13〜16の大潮に産卵舟を仕掛けます。(2/11か2/12には2組程度の雌雄を産卵舟であわせる予定です)
  しかし、あくまでも予定です。無理はしません。種魚の状態を見て良い態勢が整っていたらチャレンジします。
  
 ・魚の調子が第一ですが人間の予定もあります。魚の側についていられる時間も制限される中で、
  私達が期待する時期に産卵させることは難しいものです。まだ2月に入ったばかりです、焦らずにいきたいと思います。

bP:種魚飼育舟の画像 (2/4撮影)

 ・いくつかの飼育舟(産卵態勢を整えている)のご紹介画像です。
 
 ・1月中旬から飼育水温を上げ始め20日間が経過しました。
 
 ・飼育水も日当たりが良く、青水が進みます。遠くから見ていると濃く見えますが、洗面器にとると画像程度の濃さです。
  (加温スタート時点では「透明度の高い飼育水」「茶褐色の飼育水」「青水の飼育水」の3パターンでしたが、ベランダなので
  すべての飼育舟の状態は、しだいに青水になっていきます。どの飼育水の中でもバイオバクテリアは上手く働いてくれています)
 
 ・飼育環境や飼育方法の違いから、透き通った飼育水で冬眠から起こす方々も多く、どの方法が最適かは、ご自身で決めて
  頂きたいと思います。(飼育方法も、魚の好みや評価と同じように個人差があります)
 
 ・加温し15℃を維持しています、日中は18℃くらいまで上ります。
  (青水が進み過ぎると、尾先が溶けるような状態になります。1回/3日程度の飼育水の差し替えが必要です。
   青水が濃いと尾が溶けるのは、これからの稚魚飼育のときにも言えることです。適度な新水による差し水が良いと思います)
 
 ・明二歳も、次第に雌雄が判別できるようになります。画像のように、メスの腹は、柔らかく膨らみ黄色くなってきています。
  また、オスの前鰭には「追いほし」が確認できます。体もシャープです。
 
 ・私は現在、雌雄を分けておりません。一回目の産卵後からは、雌雄は完全に飼育舟を分けていく予定です。
  (今は、雌雄を一緒にすることで、互いに産卵を刺激する状態にしています。この時期は、いっきに新水にしなければ、
   雌雄が一緒の飼育舟でも産卵行動には入らないことを経験しております)
 
 ・あと4〜5日で、飼育水温は18℃にします。そして、準備が整った雌雄を産卵舟にセットしていきます。
 
 ・これから、2/中旬、3/下旬、4/中旬、4/下旬〜と約2週間間隔で産卵させていきます。
  (4/下旬からは自然に産卵してしまいます。魚は季節を知っています。魚に任せた産卵でも十分だと感じてもいます)
 
 ・餌は、少量を多回数無理なく与えていきます。冷凍赤虫と粒餌(少し湿らせて与えると消化が良いです)
 
 ・前記のとおり、新水での差し水も行います。バイオバクテリアも1回/3日程度で投入していきます。

bQ:種魚飼育舟の画像 (2/4撮影)

 ・魚の状態は、常にチェックをしています。
  (ボールで注意してすくい、その中で軽く掴み魚体の全体を確認します。メスは極度に刺激すると放卵しますので注意してください)
 
 ・怖がって魚を触らない方もおりますが、私達は「触ることで魚に良い刺激」が与えられるとも、なんとなく感じています。
  なにより、この時期に大切なのは「病気の発症有無」を常に監視することです
 
 ★産卵期の病気発症の確認と処置
 
   ・冬眠から起こし、飼育水温を上げてくると魚の状態が活発になります。同時に潜伏していた病原菌も活動を開始します。
 
   ・また、この時期、外気温は低く、加温と保温による覆い等により飼育舟の表面の空気の流れも減り、蒸れにより病気が
    発症しやすい状況となります。
    
   ・毎年、この時期にお問い合わせが多いのは「魚が浮いて背焼けしてしまう」ということです。これは、種魚全体に及ぶことは
    少なく、何匹かがおこす症状です。この原因は、飼育水の汚れと魚個体の内臓異常が主な原因と推測されます。
 
   ・種に使いたい魚がこのような状態になると、その魚ばかりが気になってしまいます。
 
   ・このような場合、通常、治療に良いと言われている0.5%の塩水は危険です。まだ、魚が冬眠から起きたばかりの体力が
    無い状況で調子を崩しており、かえって比重により魚体は浮き上がってしまいます。そして水面から出てしまった部分が炎症し、
    さらに焼けたような症状が広がります。(塩を使う場合は人間の体液と同じ程度の0.2%におさえた方が良いと思われます)
 
   ・治療方法としては、薬や塩等は使用しなくても、おもいきって新水に取り替えると効果があります。全換えでも良いと思います。
    少し怖いと感じられる方は、半分〜2/3を差し替えてみてください。この差し替えは、1回/2〜3日程度で継続していくと
    気が付かないうちに、魚が沈み、回復するケースを過去に経験しております。
    (新水による消毒作用と溶存酸素量上昇の「力」なのかもしれないと考えています)
 
   ・人間の勝手で産卵期を調整しています。魚への細心の注意が必要です。このような症状を早期に発見し対処していけば、
    すぐに回復します。常に飼育状況を観察することが一番大切だと思います。

明二歳の一部画像 (2/4撮影)

 ・雌雄の特徴がでてきた魚の画像をご紹介いたします。
 
 ・左がメスです。上見画像からも体全体が柔らかく腹に卵を感じさせる丸みがでています。メスらしい体形だと思います。
  (昨年の秋には、幼かった魚がバイオバクテリア飼育水の中で仕上がっています。種に使えます。目先もぐんと出てきています)
  
 ・右がオスです。体がシャープで尾形が良く、しっかりメスを追ってくれそうです。すでに軽く腹を押すと精液が出ます。
  (この時期まで鹿の仔柄がしっかり残っています。仔に継承させたいと思います)



< 2月第2週の飼育状況:産卵舟の仕掛け >

2月10日の「中潮」!試験的に産卵舟を仕掛けてみました!けして無理はさせません!

産卵舟の画像 (2/10撮影)

 ・2/10、今朝は真冬の冷え込みでした。しかし、昼間は暖かく気温も12℃まで上りました。いよいよ産卵シーズンです。
 
 ・少し早いですが、魚の調子を確認する意味からも(大きな期待は持たず)産卵舟に雌雄をあわせてみました。(2舟:仕掛け)
 
  (私の経験からは、2月に孵化させたのは一度だけです。本番は、やはり3月上旬からだと考えています。
   しかし、昨年の12月〜厳寒であったことから、魚にとっては「確実な良い冬眠」が出来たと思っております。
   魚の産卵には暖冬よりも厳寒の方が良い結果がでそうです。今年は早い時期の産卵でも孵化率が高いように感じます。
   これは、あくまでも私の勘です。皆様のご判断でお願いいたします)
 
 ・2/10〜12が「中潮」、そして、2/13〜16が「大潮」です。夜空の月も満月に近づいています。
 
 ・東京では来週から、寒暖差はあるものの、最低気温:平均4〜5℃、最高気温:14〜15℃の日もあるという
  春らしい予報です。産卵に良い条件が整いそうです。
 
 ◎現在、オスは「追いほし」も確認できメスをしっかり追っています。精液も確実に出る魚が半数以上揃っています。
   しかし、メスの腹が全体的、若干硬く感じます。慣らしながら、この大潮の期間中に放卵態勢が整えばと思っています。
 
 ・毎日観察しながら、随時、体調の整った雌雄のカップリング調整をしていきます。
 
 ・3舟程度の仕掛けを予定しています。
 
 
 <産卵舟の仕掛け> : 私見です。ご参考にしてください。
 
  ・私は、セメント舟:60×90センチ程度の容器を使用します。
 
  ・放匹数は、メス1匹に対して2〜3匹のオスと考えています。
 
   上部画像の舟には、メスが2匹とオスが5匹です。
 
   下部画像の舟には、メスが3匹とオスが6匹です。
 
   (先週までメスだと思っていた魚に「追いほし」でてきました。軽く腹を押すと白い精液がでます。
    明二歳の雌雄確定は難しいです)  
 
  ・サーモスタットとヒーターにて水温は18〜23℃にセットします。魚の状態からこの水温帯で産卵させています。
   (ファイロンの波板での保温は必要です) 
 
  ・溶存酸素発生装置Anakasと市販の投げ込み式フィルターをセットしています。
   (飼育舟が小さく、産卵まで飼育水の汚れを極力防ぎ受精率を高めるため、一時、投げ込み式フィルターも
    セットしています。
    注意:孵化が始まる2日前には投げ込み式フィルターのエアーは必ず止めてください。稚魚を吸い込んでしまいます)
 
  ・バイオバクテリアAnakas:A(浄化・活性化作用)を投入します。
   (B:予防効果は稚魚が孵化し、ブラインを食べ始める頃を目安に投入を開始していきます)
 
  ・産卵藻は、青色の荷造り用ビニール紐を束ね、細かく藻のように裂いて作成したものです。
 
  ・産卵が始まったら、人口受精をさせる予定です。早起きが必要となります。
 
   (手作り産卵藻の作り方、人工授精方法は、一昨年と昨年の飼育記録をご参照ください。いろいろな方法があります)
 
  ・産卵舟の他に、人口受精後の卵を孵化させるため、孵化舟も準備しておきます。(水温は19〜20℃)

産卵舟の画像 (2/10撮影)

 < 2/11:産卵舟の状況 >
         
2月11日:試験的に仕掛けた産卵舟の状態!まだ食欲旺盛!産卵にはもう少し時間が必要でしょうか!

産卵舟の画像 (2/11撮影)

 ・朝、6時半、やっと夜が明けてきます。気温も3℃程度はあるでしょうか。とても暖かい朝となりました。
 
 ・産卵舟からは、湯気がたっています。今朝の産卵はありませんでした。
 
 ・画像のように追う行動は見られますが、メスの腹が少し固めです。産卵にはもう少し時間が必要かもしれません。
 
 ・しかし、雌雄をあわせて産卵態勢を整えると、いっきにメスの腹が柔らかくなり、油断したときに産卵することもあります。
 
 ・オスの態勢は完全に出来上がっています。
 
 ・10時頃に、産卵舟を確認すると雌雄が魚の巣の中へ飛び込んでいます。
  
  (この時期は昼間でも産卵します。できる限り観察が必要です。出かけるときは魚巣を取り外しています)
 
 ・少量の粒餌と冷凍赤虫を与えています。食欲が旺盛です。13日からの大潮には、ちょうど良い体になるかもしれません。
 
 ・産卵舟にセットしたときは、夕方以降の給餌は避けています。(食欲から性欲へ切り替えさせる必要があります)



< 2月第3週の状況:産卵舟の状況:(2/12〜14) >

2月12〜14日:産卵!種魚:雌雄の状態良好!もう少しで産卵か!

産卵!産卵藻の卵の画像 (2/12撮影)

 ・2/12(日)、今年初めての産卵を確認しました。画像のとおり、見難いですが、手作り産卵藻に卵が付いています。
 
 ・しかし、私自身の体調が悪く(日曜、中潮だったため気の緩みもあり)、昼前に舟を確認したときには、すでに時遅く、
  卵は親魚達がほとんど食べてしまっていました。
 
 ・がっかりしましたが、しかたありません。私自身の体調は悪いのですが、魚達は良い状態です。
  気持ちを切り替えてチャレンジです。他にも産卵を仕掛けたカップリング舟があります。
 
 ・このような事は多々あります。失敗を恐れず、この時期に確実に産卵できたことを良しと考えます。

大潮:満月の画像 (2/13撮影)

 ・2/13(月)の夕方、空には「満月」です。いよいよ「大潮」、産卵本番を迎えます。
 
  (魚の状態が整ってくれば、さほど「大潮」に拘らずに産卵は可能です)
 
 ・大潮の少し前や、大潮の後の2〜3日後に産卵することが多いようにも感じています。

産卵舟の画像 (2/14撮影)

 ・2/14(火)、まだ産卵しません。なかなか人間の思うようにはいきません。我慢が大切です。
 
 ・産卵舟の水温は、昼間、20〜23℃にもなります。
 
 ・種魚の状態も良く、魚体にも幅が出てきました。いつ産卵しても良い状態だと思います。
 
 ・メスの画像からも腹の膨らみがわかります。触ってみると全体的にとても柔らかいのですが、腹の中心の線の部分が
  少し硬く感じます。この線というか筋の部分が柔らかくなると産卵可能な態勢が整ったと考えてよいと思います。
 
 ・卵を持ったメスは、上見からも腹の張りが確認でき、鱗と鱗の間が開いてきているようにも見えます。
 
 ・オスも体調が良く、追いほしが確認できます。全てのオスから精液が出る状態です。オスの態勢は整いました。
 
 ・オスの方が産卵態勢が早く整い、メスが遅れるように感じます。
 
 ・けして焦ってはいけないと思います。
 
 ・この時点で大切なのは、産卵のために23℃程度まで水温を上げた中で、病気も無く、産卵態勢を整えられたことです。
  これから時期、次々と産卵が続く中で、この水温に適用できない魚は、種には使い難いと思います。
 
 ・2/15(水)、今日は東京でも気温が20℃を超えました。5月の気温です。しかし、明日はまた冬に逆もどり、
  最高気温は8℃の予想です。寒暖の差が激しく、人為的に産卵状態へもってきています。
  常に魚の状態を確認し、産卵にチャレンジしていきます。



< 2月第3週末の状況:産卵舟の状況:(2/18) >

         
2月18日:産卵舟の種魚:雌雄の状態良好!体形・色艶とも抜群!



産卵舟の画像 (2/18撮影)

 ・2/18(土)、産卵舟の雌雄の状態も良く安心しています。
 
 ・私自身の体調が悪いため、少し産卵が遅れてほしい状況です。(今回も簡単な画像でのご報告とさせてください)
 
 ・中旬の「大潮」も過ぎ、次の「大潮」は2/28〜です。
 
 ・しかし、メスの腹も出来上がり、オスの状態も良く、いつ産卵してもよい状態です。
 
 ・ここは、じっくり卵を熟成させたいところです。来週の産卵まで持っていきたいとも思います。
 
 ・産卵舟の水温は、20〜23℃をキープしています。
 
 ・産卵舟の仕掛も、そのままの状態です。1回/2日の差し水(1/3程度)で様子を見ていきます。
 
 ・産卵舟の中には、バイオバクテリアのA(浄化・活性化効果)の培養した上水を投入しています。
  (Bバクテリア:免疫効果は、孵化後、卵の黄身やブラインを食べ始めた稚魚から投入していきます:AとBの併用)
 
 ・産卵舟の中にバイオバクテリアを投入される方。バクテリア飼育している魚自体の糞の中には、バクテリアが含まれていて、
  産卵舟にバクテリアを投入しなくても浄化効果が確認できるとのことで、3日程度前から汲み置きした新水を使われる方と
  皆さん、飼育環境等にもあわせ、いろいろなバクテリア活用をされております。
 
 ・画像のとおり、魚の体形、色艶等からも健康で迫力を感じます。これもバイオバクテリア:アナカスの「力」だと思います。

産卵舟の画像 (2/18撮影)



< 2月第4週の飼育状況:「産卵しました」:(2/23) >

         
2月23日:早朝「産卵」!バイオバクテリア:アナカスによる種魚の熟成に感謝!
     

産卵舟の画像 (2/23撮影)

 ・2/23(木)、早朝6時半、産卵舟を確認してみました。ダンボールの覆いを取り除くとバシャバシャと波立っています。
 
 ・画像のように、ちょうど産卵行動が始まったところでした。(飼育水温は21℃でした)
 
 ・私自身の体調が悪いため、夜明けとともに産卵されると対応できないため、ファイロンの波板の覆いの上に、さらに
  ダンボールで遮光しています。隙間からは日が少し入りますが、産卵時間を、少しでも遅くできるように工夫しました。
  前回のように、気がついたときには、産卵が終わっていたということのないように対応してみました。
 
 ・今回は良いタイミングで「人口受精」の作業に入ります。

人口受精の画像 (2/23撮影)

 ・慌てる必要はありません。
 
 ・ゆっくり準備している間も、雌雄は追いあい、魚巣へ産卵しています。しかし、短時間で全ての放卵は完了しません。
 
 ・事前に準備しておいた容器2個(ガラス容器の内側に白ワセリンを薄く塗り、リンゲル液[生理食塩水や清涼飲料水の
  ポカリ等でも代用可]を30ミリリットル程度入れておいたものです。
 
 ・産卵舟から、あわせたいオスを掴み、胸から肛門方向へ、軽く腹を押してやると画像のような精液が出ます。
 
 ・次に、放卵しているメスを掴み、同様に軽く腹を絞ります。画像のように飴色に熟成した卵が出てきます。
 
 ・この容器の中では、受精した卵は付着しません。まだ、メスの体内の中にある状態で受精させるからです。
  (この方法ですと、私の経験からは99%が受精します。また、確実にあわせたいカップリングでの受精を可能とします)
 
 ・何度か雌雄を交互に絞ります。また、片方の容器に集中して絞らず平均に行います。

 ・「精液」と「卵」が入った容器は、手のひらで回すように攪拌します。(所要時間はゆっくり焦らず5〜10分程度となります)
 
 ・新水を汲み置きし、20℃の産卵舟へ持っていき、容器の中の受精卵を均等にまいてあげます。

孵化舟の画像 (2/23撮影)

 ・上記の人口受精と、さらに一般的に使われる洗面器の中で(洗濯機の中のように水を回しながら)、オスの精液を搾り、
  メスの卵を絞り、これを何度か繰り返す方法も行いました。 2洗面器分が引けました。
 
 ・この方法ですと、80〜90%くらいの受精率を確保できると感じています。
 
 ・上の画像のように、孵化舟には、直接、ガラス容器から巻いた卵、洗面器の中で受精させた卵、そして、ガラス容器に
  少し付着した卵も舟のすみへ沈めておきます。

孵化舟と産卵舟の画像 (2/23撮影)

 ・卵の状態も良く、数が多かったので、洗面器で受精させたものは、他の産卵舟へ移しました。
 
 ・人口受精ですとホウロウの洗面器の数がたくさん必要ですが、私は、100円均一の洗面器(プラスチック製)を使用し、
  重しとして、やはりショップで購入した鉄製の格子を置いて沈めます。
 
 ・また、孵化舟の中でも、魚巣に産卵しています。オスの精子をよく絞り、かき回します。
 
 ・このように、一回の産卵で、3舟分が引けたことになります。
 
 ・20℃程度で5日後には孵化すると思います。
 
 ・屋外なので、孵化舟は、ファイロンの波板で覆い、さらに直射日光を避けるようダンボール等で遮光します。

種魚の画像 (2/23撮影)

 ・上の画像がメス親です。下の画像:オス3匹、特徴ある魚をあわせました。
 
 ・自然産卵ですと、どうしても、一匹のオスの精液と受精してしまいます。上記のような人口受精をさせると、確実に取りたい
  雌雄で仔引きすることが可能となります。

孵化舟:10時間後の画像 (2/23撮影)

 ・孵化後、10時間経過の卵の画像です。受精率も高そうです。良い仔を期待します。
 
 ・予想どおり、今年の冬は厳寒で、魚がしっかり冬眠出来たことから、この時期に仔引きすることができたと感じます。
 
 ・気候の要因もありますが、バイオバクテリアAnakas(アナカス)を使用した冬眠、さらには、産卵舟にも浄化・活性化効果
  のあるAバクテリアを常時投入したことにより、魚体に熟成効果があらわれたように思います。
 
 ・3月〜が本格的な産卵です。ひき続き無理のないように頑張りたいと思います。

< 2月24日:一日経過後の「受精状況」 >

孵化舟の画像 (2/24撮影)

 ・孵化後、一日が経過しました。2/24の夕方の画像です。
  (天気も悪く気温も5〜6℃、今夜は小雪まじりの予想です。寒くて撮影するのも厳しく、画像が悪くてすみません)
 
 ・孵化舟には、昨日の夕方に少量(5〜6滴)のメチレンを入れました。これは、水性菌による(受精していない卵への)
  カビの繁殖を極力抑えて受精率をさらに高める工夫の一つです。(孵化舟の水が青みかかって見えます)
 
 ・水温は20℃をキープしています。(加温のため電気代がかかります)
 
 ・2/27頃には孵化の予定です。

受精卵の画像 (2/24撮影)

 ・左の画像は、洗面器を活用した人口受精による卵の状態です。約90%以上が受精しています。
 
 ・飴色の卵が受精卵です。受精していない卵は、一日経過すると白く腐食してきます。
 
 ・右の画像は、リンゲル液を活用した人口受精による卵の状態です。100%といってよいくらいの受精率です。
 
 ・卵も大きく形状も良く、飴色をし熟成しているようです。いまのところ順調です。
 
 ・産卵舟の魚巣の様子は撮影していませんが、見た感じでは、白く受精していない卵が目に付きます。
  しかし、毎年、想像以上の数の稚魚が孵化してきます。



< 2月第5週の飼育状況:「孵化しました」:(2/27) >

2月27日:孵化が始まりました!早い時期の仔としては、なかなか「良い針仔」の誕生です!

孵化した稚魚の画像 (2/27撮影)

 ・2/27(月)、早朝、孵化舟を確認すると稚魚が孵化しています。
 
  (昨日は、春の嵐となり画像が取れませんでした。孵化が始まる前の卵の状態は次回産卵のときにご紹介させて頂きます)
 
 ・水温20℃に設定し、ちょうど5日で孵化が始まりました。
  (この程度水温での孵化が細胞分裂の関係から良いと言われています:あくまでも経験値です。参考としてください)
 
 ・ここで水温を2℃上げます。孵化舟の水温を22℃として、いっきに孵化させます。不揃いのないようにするための設定です。
 
 ・画像のように、大きさ艶とも良く、まっすぐな体の針仔が誕生しました。ホットしています。
 
 ・魚の立ち上がりも良く、綺麗に一方向を向いています。すでに泳ぎだしている孵化舟もあります。
 
 ・今日中には全てが孵化を完了すると思います。
  
  孵化した日から2日間は餌を与えません。
  3日〜4日目:卵の黄身を布越しさせたものを与えます。
  5日〜ブラインの生餌を朝と晩に与えていきます。
 
 ・バイオバクテリアAnakas(アナカス)は卵の黄身を与え始めた時点より投入開始します。
  (*Aバクテリア:浄化、活性化を目的 *Bバクテリア:免疫効果を高めることを目的 の両方を投入開始します)

種親舟の画像 (2/27撮影)

 ・種親は、バイオバクテリア飼育水の中で状態も良く養生しています。
 
 ・バイオバクテリアの浄化効果、さらにはバクテリア飼育水の弱酸性の力により消毒効果があるように感じます。
 
 ・産卵の翌日からは、普通に冷凍赤虫と粒餌を与えています。
 
 ・メスは10日〜2週間後には次の産卵態勢に入ります。
 
 ・オスは、産卵後もすぐに他のメスの産卵にも使用可能な状態です。


         2006年バイオ飼育記録 bR