< 8月最終週〜9/第1週の飼育状況:秋風にのって虫達が鳴き始めました!(9/4) >

◎ 天気図からも秋の高気圧帯に入りました。朝晩は気温も下がり、秋の始まりを感じます!
                           当歳魚の食欲も増進し、大きさ(幅)が出てきます!

当歳魚の画像(8/29〜9/4撮影)

 ・残暑は続きます。昼間は30℃を超え、朝晩は20℃近くまで下がります。
 
 ・魚達の食欲は増進し、バイオ飼育水の中で、一日一日、健康体に大きく成長してます。
  画像のように、遅産まれの仔達も(まだまだ幼いですが)仕上がりを見せています。
 
 ・日の入りが早くなったと実感しています。夜になると秋の虫達が鳴き始めます。
  今年の夏は(梅雨明けが遅れ)、いっきに猛暑と豪雨等、本当に不安定だったと思います。
  魚にとっても、人間にとっても辛い夏でした。
 
 ・今月中旬からは、秋の大会も各地で開催されてきます。(10〜11月初めが大会シーズン)
  研究会等も終盤を迎えて、今年の魚の仕上がりや病気の発症状況の連絡を頂きます。
  なによりも、魚達の養生が大切です。大会や研究会で病気を持ち込まないように対策
  することも大切な事だと思います。
 
 ・この時期の日除けや保温は大切です。陽射しは強く、夜間は想像以上に冷え込みます。
  ファイロンの波板等を活用して、飼育への気配りも大切だと感じます。

当歳魚の画像(8/29〜9/4撮影)

 <飼育のワンポイント(私見)>
  
  *系統(血の継承)のバックグランドは必須だと考えますが、
    飼育方法を少し工夫するだけで、魚の体形、仕上がりは大きく変わってくると思います。 
 
  ◎尾の作り方
 
    ・水深の調整や水換えのインターバルでも尾形は変化すると思います。
 
    ・水深を浅く、水換えを頻繁にすると、魚はよく泳ぎます。
     この行動の連続により、強めの尾を弱めに調整できると思います。
 
    ・また、水深を深くとると、魚へ水圧がかかり、泳ぎへの抵抗が増します。
     背の浅い魚は、背が丸く深くなり、これにより、尾骨が前方へ出てきます。
     弱い尾を強くすることができるように感じます。
 
    ・当歳は、体調が13〜14センチになっても水深は14〜15センチにとどめる
     飼育が良いと思います。深すぎると「四角い体のらんちゅう」に仕上げにくいと
     言われています。
 
  ◎頭の作り方
 
    ・らんちゅうは「尾で始まり尾で終わる」、それくらい、尾形、尾さばき、泳ぎが
     大切です。しかし、「現代的らんちゅう」としては最低限の頭は必要だと思います。
 
    ・頭の形としては、エラに脂肪が乗らず、前方へフンタンが出る「龍頭」を目指して
     います。
 
    ・昔から言われていることは、池や舟の側面の苔を食べる行動によりフンタンが出る。
     水面の一部を遮光し、その隙間から魚が上(光を求める)を見る行動をとらせる。
     水深を浅くして飼育し水圧の影響を抑える等・・・・・いろいろあるようです。
  
    ・その効果は、よくわかりません。やはり、系統からの継承が多分にあると思います。
     
    ・私は、差し水(水換え)の後に、舟の苔は洗い落としません。
     差し水の後に、30分程度は餌は与えず、魚達に舟の苔をつつかせせています。
     最低限の頭の仕上がりは出てきているようです。
    
  ◎筒、腹の作り方
 
    ・孵化後、卵の黄身から始まり、ブラインシュリンプ、冷凍ミジンコ、冷凍赤虫、
     粒餌等と稚魚達へ給餌していきます。どの時点で切り替えるか、混合するかは
     皆様いろいろです。
     (この時期になると冷凍赤虫と良質な粒餌を併用しています)
     (冷凍赤虫一本という方もおりますが、栄養バランスから粒餌も効果的と考えます)
 
    ・魚にとって必要な栄養、動物性タンパク質と植物性タンパク質をバランス良く
     与えることが大切だと感じます。(人間の健康的な食生活が模範だと思います)
 
    ・餌の与え方にも、いろいろな方法があります。
     少量多回数、間隔をとり一度にたくさん等、飼育環境や飼育時間にあった選択で
     よいと思います。
 
    ・また、たたき池飼育の方も、舟での飼育の方も、底の苔を洗い落とすと魚の食欲は
     増し、餌食いが良くなり太くなると言われています。
     (側面の苔は、魚に食べさせるために落としません)



< TAKUYAの飼育状況:9/第2週:今後の仕上げに期待します!(9/12) >

◎ 標高850メートル:高原での「らんちゅう飼育」!飼い込み、一ヶ月後の仕上がりに期待しています

高原の初秋画像(9/9〜9/10撮影)

 ・高原でも残暑が続いていました。甲斐駒ケ岳(2967メートル)も夏山を思わせる姿です。
  しかし、空は秋色、澄んだ青さが広がります。陽射しは強くても、風が肌をさわやかになでてくれます。
 
 ・色とりどりのコスモスが咲き乱れています。朱赤、ピンク、白、オレンジ、紅白の綺麗な柄も印象的でした。
  自然色の素晴らしさを感じます。
  
 ・白いソバの花が畑一面に続き、稲は黄金に輝いていました。実りの秋を迎えています。
  ススキの穂も開き、なんとなく冬の足音も感じてきます。
 
 ・四季の移り変わり、夏の景色から秋の景色へ・・・、
  はっきりとした区切りはありません。「全てが連続性」の中にあります。

当歳魚と飼育状況画像(9/9〜9/10撮影)

 ・TAKUYAの飼育している当歳達も、飼い込み時期を迎えて仕上がり始めています。
  これから一ヶ月が勝負です。
 
 ・体長は、平均で11.5センチ程度、もう少し大きさも出させたいと思います。
 
 ・尾形、背、鱗揃い等は良い感じがします。しかし、現状では頭が少し足りません。
  (各部位全ての要素が整い、幅が出来てきてこそ、らんちゅうが仕上がったといえます)
  (体長や太さがあっても、要素のどこが不足していると、大会等でも評価はされません)
 
 ・頭と体を作るために、飼育舟の底の苔をスポンジで落とさせて、舟の側面の苔をつつく飼育へと
  切り替えています。(底の苔を落とすと給餌時の食欲もいっきに増進すると言われています)
  また、餌も冷凍赤虫を多くするように調整中です。
 
 *なぜ、側面の苔をつつかせると頭が出るのか?
   これは、らんちゅうの頭も柔らかく「粘土」に例えると、側面をつつくことにより、
   口先部分が平となり、頭は四角になります。
   そして、そこに脂肪が乗ってくれば、龍頭へと仕上がっていくと言われています。
   (苔のついていない水槽飼育では、魚は側面のガラスに口先をぶつけません。
    したがって「頭の丸い体形のらんちゅう」となってしまうとも言われています) 

 ・らんちゅう飼育2年目、どこまで「当歳としての仕上がり」へと近づけるか・・・期待しています。



< 9/第3週の飼育状況:水温が下がり、らんちゅう達は脂肪を蓄えます!(9/17) >

◎ 9/中旬:秋の長雨。台風も接近しています。涼しくなって来ました!
                         この時期、水温が下がってきても食欲は安定しています!

当歳魚の画像(9/16撮影)

 ・次第に「当歳らしい仕上がり」に近づいて来ているでしょうか。
  いっきに頭や幅が出てくる魚も見られます。
  「出世してくる魚」「早熟な魚」と、さまざまです。
 
 ・9月:最も魚の仕上がり(一回り大きく)を感じます。夏場よりも水温は低下してきます。
  水温低下により魚の運動量も落ちるはずです。しかし、魚にとっては過ごしやすい水温帯でもあり、
  この水温低下により運動量が落ちることから、魚体に脂肪が蓄えられると言われています。
  (食欲も安定しています。元気に食べきる量をどんどん与えていきます)
 
 *注意:しかし、長雨等により昼間でも水温が上らない日が続きます。
  このようなときは、当然、魚の食欲は落ちます。
  適量を与えること、食べ残しがないことの確認が必要だと感じます。
 
 ・この時期の大会候補魚は、本当に、2〜3匹/3000匹程度の確立になってくるように感じます。
  満足する魚の創作・・・難しさを実感します。(1腹の中で、大会魚はほんのわずかです)
 
 ・秋の長雨、台風の接近と天候は荒れています。
  屋外飼育では、特に風雨や水温低下等の対策が必要となってきます。
 
 ・また、魚が仕上がってくる頃に、鳥獣等の被害が多いようです。
  防護網等の設置も確実にと考えています。

飼育舟への台風対策の一例画像(9/16撮影)

 ・ホームセンターで軽トラ用等のゴムバンド(両側にフック付き)が安価に売られています。
 
 ・画像のとおり、飼育舟の上にファイロンの波板を被せ、強風でも飛ばないように
  ゴムバンドで固定します。
 
  (レンガやブロック等で重しをしても、台風等の風雨は想像以上です。
   ファイロンの波板とともに、レンガやブロックが飛んでしまいます。
   大変危険です。ベランダや屋上等での飼育の方はご参考にしてくださいませ)

当歳魚の画像(9/16撮影)


         2006年バイオ飼育記録 bP0